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2011年02月26日

雪の日の電話

 夕方6時、電話のベルが鳴る。「オレじゃが、アンタのところも雪が降っちょるか?」「降ってますよ」「雪が降る日は寂しいのー」。A氏は75歳、昨年妻を亡くしたばかり。初めての冬を独りで過ごしている。「お元気ですか。温かくしていますか?」と私は問い掛ける。「大丈夫だよ。春になったら顔見せてよ」「ええ、行きますから」。
 7時にまた電話がかかってきた。「まあ、なんちゅう大雪やろうかね、私は家から出られんよ」。美祢市の山間に住むB子さん、73歳。「大雪やね。こんな日は出てはいけんよ。また、こけるよ」と私。B子さんは、この秋自宅の庭で小石につまずき足の親指を骨折したばかり。「食べるもんがなくなって漬物ばかり食べとるんよ」「じゃ、見繕って美味しい物送るね」「まあ、本当、ありがとう。春になったら食事奢っちゃるからね」。電話の向こうから演歌が聞こえる。独りでテレビを見ているのだろう。
 8時。「卓球の試合優勝したよ」。東京に住む同級生のC子さん。学生時代から卓球の選手だった。「そりゃよかったじゃん」と私。「山口雪降ってる?」「大雪。測ったらさあ、20センチあるんよ」「春になったら、上京しておいで」「うん、行く、行く」と私の声が上ずる。
 また、電話が鳴っている。誰?


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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