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2011年05月14日

札の辻・21

 青葉潮の寄せる海域に西部太平洋系群のカツオが日本列島の南岸沿いに北上の旅を急ぐのは5月である。
 カツオのたたきをつくるとき、藁火などであぶるが、これは食中毒予防のため昔は生食を禁じられた土佐の人たちがカツオの刺身への思いが絶ちきれずに火を通したからだという。また糖類の含有量が比較的に多い赤身をあぶって特有の風味を出すのだとも聞く。
 カツオの身が赤いのは昼夜の別なく高速で泳ぎ続けることに関係があるらしい。その流線型の体型と見事な筋肉質はスピード感にあふれている。浮袋を欠くカツオは浮力を得るために他のサバやイワシよりもいっそう速く泳ぐのだという。速度を保つため酸素の消費量が多く、エラぶたを開閉せず口を半開きにしたまま水中を進み、呼吸水をエラの表面へ流す、カツオにとって泳ぎの中断は窒息を意味するとは魚類の習性解説にもある。
 海流に乗ったカツオは薩摩沖、土佐沖、紀州沖、伊豆沖、房総沖、三陸沖へと北上をつづけるが、今年の房総、三陸は東日本大地震による影響が出漁、水揚げ共に気になることになった。
 季節の魚カツオの遊泳域には遠い山口なのだが、流通機能の発達している昨今では新鮮な初夏の味覚としてタタキを堪能することもできる。
 薫風吹きぬける町に“山ほととぎす初鰹”の句を身近に感じとるように思う。    
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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