サンデー山口

　近頃飲食店に行って思うことがある。選ぶことが多すぎる。なんでかなあ。
　私「Ａ定食下さい」。ウエイター「ライスになさいますか、パンになさいますか？」。「ご飯で」「ライスは白米と麦と雑穀炊き込みがございますが？」「白米」。「味噌汁と赤だしと貝汁と潮汁とがございますが、ご注文は？」「味噌汁」。「味噌は白味噌、赤味噌とございますが？」「白味噌」。「メーンを魚か肉か鶏の中から選べますが、どれになさいますか？」「肉」。「肉の焼き具合は？」、となる。その後、ドレッシングの選別からデザートを決め、コーヒーか紅茶かそれは食後にするのかすぐ持ってくるのか、と延々と続く。お腹の空いている私は腹立たしくなる。それより本当に素人の客に選ばせていていいの？　シェフの献立へのこだわりはないのかしら？
　私のＡ定食はこうなった。白米に白味噌の味噌汁、よく焼いた豚肉の生姜焼き、デザートはプリンで紅茶は今すぐ飲む。味噌汁と紅茶を一緒に飲むのだ。これでいいの？　調理人の誇りを傷つけないのか？　　
　「俺にまかせろ。美味しいものを食べさせてやる。驚くな」と言って欲しい。自己責任は定食にはいらない。静かにゆっくりとプロの献立と味を驚きながら味わいたい。