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2011年07月23日

札の辻・21

 梅雨が明け山口盆地は祭りの夏を迎える。
 “お伊勢に七度、熊野に三度、愛宕さまには月参り”と江戸ッ子は忙しいくらしの中にも祭事に対する心象を心意気で伝承した。
 山口の祇園祭は応永年間の大内時代よりつづく祭礼で「お祇園さん」とも呼ばれ親しまれて今日につづく。
 鳳翩山麓に源流をもつ一の坂川の両域には、古くからの町並を偲ぶ大殿大路、鞍馬小路、和歌殿小路、春日小路、馬場殿小路、伊勢小路、御局小路などの町名記録も残っており、大内氏による京風の町づくりを偲ぶことができる。祇園祭につづいて七夕ちょうちんまつりも古都の町筋を室町文化の灯りでいろどる。
 祭礼と踊りの夏も旧盆を迎える頃には一の坂川の河畔に群生するイヌタデが薄紅色の小柄な花をつけてオハグロトンボが羽を休めるようになる。
 賑やかであった夏からおだやかな初秋へと川の流れも細くなって移りゆく季感をせせらぎが伝えてくれる。
 司馬遼太郎は紀行文学街道をゆくの中に、
 「塔の下までゆくと、その古色が尋常でないために自分が幻想の舞台にとび上ったように(長州はいい塔を持っている)と惚れぼれする思いであった。山口に八街九陌をつくった大内弘世やザビエルを保護した義隆など大内時代を知らねばならない」と記述する。
 祭りは遠い時代からの足音である。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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