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2011年10月08日

札の辻・21

 県立美術館前のケヤキ並木に秋色をにじませて色づく梢が目立ちはじめた。しかし本格的な紅葉ではなくケヤキ、ナラの木立ちはまだ薄みどり色を多く残しており錦秋期を迎えるのはいま一歩である。
 人々が秋を知覚するのは風の音という。
 淋しさにめしを食う
 なり秋の風  一茶
の句があるように日本人的感覚は季節感を繊細に汲みとる。そして秋の自然美は春の部分的開花とは異なり全山全渓谷の大スケールで展開する。
 わが西中国山地の秋は多種多様な色彩の微妙さにおいて見事である。
 カエデ、ハゼ、ナラ、クヌギなど紅葉化する広葉樹の種類に多くめぐまれているから。今の時期に木戸山峠を越え山々に囲まれた徳地地域に入ると、秋の大気と景観が一段と身近に体感できる気分となる。
 秋天を高く感じるのは渡り鳥である。ツバメは南へ去りカモやシギの冬鳥が訪れる。
 電線にモズの高鳴きを聞くようになるとヒヨドリたちが色づいてきた柿の梢に群がる。
 東洋的な朱黄色の柿が秋天をバックにするのは法隆寺の鐘でなくともサビエル聖堂の鐘で良い。
 だが柿はヨーロッパでは自生せず英辞書にはkakiとあり鮎のayuと同じである。
 先日友人が落アユのウルカを届けてくれた。味覚の秋は夏の終わりで冬への助走であり地酒も待っている。  (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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