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2011年11月12日

札の辻・21

 例年読書週間にあわせて開かれる神田神保町の古書店街のイベント「神田古本まつり」に行く。
 古本まつりがはじまったのは1960(昭和35)年で今年は52回目となり神田の秋の風物詩として定着、日本全国の古書ファンはもちろん海外からも多く集まる。
 私が行った10月30日、11月1日の2日間は前日の時雨が過ぎたさわやかな秋晴れで、駿河台下交差点から専修大交差点までつづく古本屋街は通路脇まで百万冊という書籍に溢れていた。
 岩波書店や有斐閣の昭和初期の辞典類から新潮社、文藝春秋の文芸書など出版文化の道程が展開されている。
 河上肇「学問と詩」、河上徹太郎「有愁日記」、住江金之「世界の酒」、冠松次郎「峰と渓」など数冊を買う。
 学問と詩によると河上肇は―山口県時代の食物の思い出―として外郎について書いている。
 「辞苑に外郎は米の粉を黄に染め砂糖を加えたとあるが、これは間違いでワラビの根茎から取得した澱粉で山口ではセンノリと呼び米の粉と混ぜたもので、黒外郎もやはりセンノリでつくり出す」と述べている。
 河上肇と姻戚の河上徹太郎は「ふるさと岩国は旧城下町である。現在海岸地帯には米軍基地や工業地帯となっているが、旧市内は丘状と川筋に恵まれた個性的風土なのだ」と書く。
 おびただしい古書の中の望郷である。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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