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2011年11月16日

香月泰男〈餓〉

香月泰男〈餓〉 

現在美術館では、香月泰男生誕100年を記念して、シベリア・シリーズの関連資料を展示している。そのなかの「餓」関連資料のスケッチを見ると、飢餓体験の生々しさが伝わってくる。デフォルメされて歪んだ顔は、まさに必死の形相とでもいうべきか。うめき声を聞くような臨場感がある。
 しかし、完成されたシベリア・シリーズの印象はだいぶ違う。資料の上に掲示された写真を見ながら、油彩画の「餓」では、生命感の希薄な石のような表情が漆黒の闇に浮かんでいたことを思い出す。この独特の表現は、生々しく蘇るやりきれないシベリアの記憶が長い制作過程のなかで昇華されて生まれたものにちがいない。
 かつて「あの悪夢のような出来事から一生覚めきることはできない」と語った香月にとって、辛い記憶を作品に高めてゆく切実な仕事こそが生きることそのものを意味していたのだろう…そう思う。
県立美術館学芸専門監 斎藤 郁夫


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)サンデー美術館
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