2012年01月01日
中心商店街活性化に向け新たな試みが始動
都市間競争や郊外大型店の出店攻勢により、各地で地域の商店街が衰退している。その中でも山口市中心商店街は、山口県内では「良くがんばっている」と評価され、一定のにぎわいも維持している。今年、商店街ではさらなる躍進に向けて、どのような試みがなされるのだろうか?
築170年の町屋を活用、複合施設がオープン
中市商店街に昨年4月に開業したマルシェ中市と山口井筒屋との間に今年3月、伝統的町屋「梅田邸」を再生活用する新複合施設がオープンする。
梅田邸は、1905(明38)年から1908(同41)年まで旧山口町長を務め、山口商工会議所の前身・山口実業談話會の初代会長にも就任した梅田治輔(1857~1929年)の生家で、推定築170年と歴史的価値も高い建築物。
町屋の趣と木造和風建築の魅力を伝えるべく、改装は進められている。母屋は建物の風情を生かした和風カフェ、増築部はアンティーク衣料店に。また、庭園を囲んだ2棟の土蔵には、生活雑貨店とイベントスペースとが整備される。今ある茶室はそのまま残され、時間制で利用できるように。さらに、庭園はオープンテラスとして、自由にくつろげる憩いのスペースになる。
この施設の完成によって、昨年までに整備された、どうもんパークおよびマルシェ中市による“2核十字型モール構想”が、より確かなものとなる。
「施設の完成を機に、マルシェ中市や近隣店舗との連携を密にした集客イベントを開催したり、地域や外部団体の行事と連携して催し物を開催するなど、中心商店街の新たなにぎわいにつなげたい」と事業主の中市商店街振興組合・山田太郎理事長は話している。
ソフト事業で商店街を活性化
大きな施設整備計画がひと区切りついた中心商店街では、次のステップとして、同所に足を運ぶきっかけとなる話題づくりなど、ソフト事業を中心に力を入れていく。
道場門前商店街では、東日本大震災から1年となる3月に復興支援イベントを計画中。さらに中心商店街全体においては、空き店舗対策や新たなイベントも計画中との事で、例年以上にさまざまな事業展開への期待が持てそうだ。
歴史と文化を継承しつつ新たな取り組みも
町屋という歴史的な建築物だけでなく、中心商店街には歴史や文化の面で、価値あるものも多い。
その一つである山口七夕ちょうちんまつりは、例年8月6日、7日の2日間、曜日に関係なく開催されていたが、今年から8月の第1土日へと変更される。
そこで各商店街は、広域からの集客と昼間のにぎわいにもつながるよう、ちょうちんの取り付け体験や灯入れ体験など、参加型の企画を検討中。それだけでなく、時代に応じた新たな取り組みも模索されている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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