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2012年03月09日

狸の首巻き

 今日は、頭も足も鋭い爪もついた狸の首巻の話なんです。私は五十数年前に、郷の猟師さんから狸の首巻を貰った。彼が捕り、処理をし、干し、なめし、毛をふっくらとさせ、目にガラス玉を嵌め、私の首にまいてくれた。「これで寒くないよ。雪が降っても大丈夫」
 長い間重宝して、狸の頭つきで尻尾がぶらぶらする首巻きをしてきたが、先日、小学2年生のA君に「自分だけ暖かかったらタヌキを殺してもいいのか」と冷たい声で言われた。
 戦後、食料も少なかったから豬や雉や雀を捕っては食べた。私も食べたし、手伝いで鳥の毛をむしった。そんな時代に捕った狸。一対一で知恵をつくして捕った狸。贅沢品ではない。しかし、鉄砲という道具を使った。卑怯ではないか? でも、狸だって作物を荒らす。下駄も噛んで壊す。しかし、頭つきの狸の首巻きは残虐で人に嫌な感じを与える。子供は特にそうだ。子供は童話の世界にいる。狸はお友達。ならば箪笥の肥やしにするか。それでは、郷の猟師の行為を否定することになる。狸を捕るのは良いことだった。皆、喜んだ。変節してはいけない。いや、動物を思いやるというのは文明社会の証じゃないか。しかし…、と、際限ないので家の中で巻いて狸と遊んでいる。猟師のおじさんはとうに死んでいる。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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