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2012年07月28日

札の辻・21

 住宅の庭先や舗道の一角にキョウチクトウ(夾竹桃)の花があざやかに咲いている姿を見かけるようになった。真夏を迎えてから開く花はめずらしく数少ないので目を引くようになる。
 =キョウチクトウは高さ2・3mの常緑低木。インドの中央部からアフガニスタン、イランなどが原産で、日本には江戸時代末期に到来した。今では公園や道路筋などに植栽されており、その葉は肉厚で細長く夏季を迎えると枝先にピンクや白い花を競うように咲き重ねる=と歳時記にあるごとく炎天下を咲きつづける花。
 思い出が残る。かつて初夏の中国は南京、蘇州を旅したとき、町筋や集落の至るところにキョウチクトウが咲いていたことを。クリーク脇に並ぶ民家の土塀際の花は見事で、通訳の女性が中国の少女はキョウチクトウの花を髪に飾ると自慢した。その厚ぼったい葉はいかにも亜熱帯性の花木らしいが、東北地方や北海道ではしばしば寒波によって生育が遅れるから関西や九州地方にかけて多く植栽されている。
 作家井上靖は中国西域のウイグル地方を視察した旅行記に
 ―往古の古城も寺院も形骸化していたが、その幅広い庭園跡にはナツメの木とキョウチクトウが伸び残っておりおどろいた―と記述する。
 山口の真夏に咲くキョウチクトウの花に中国での回想を重ねて熱い季節に向かう。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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