アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 69人

店長情報 トップページ
店長情報

2013年01月19日

札の辻・21

 気温の時期が小寒(一月五日)、大寒(一月二十一日)と続き、立春前日(二月三日)の節分までは寒の内となる。カレンダーは写真と印刷の進歩から華麗な壁飾りともなって、日付と曜日は鮮明だが、節分、立春、夏至、秋分もなしが多く、往年のように日の出、日の入りはもちろん潮の干満もなく農耕に商売に慶弔に便利で重宝したものが少なくなり「暦のない暦」の如くなっている。
 しかし自然は暦日とは別に新しい歩みを重ねてゆく。
 暮からいく度か降雪もあったが庭の片隅に育ったロウバイが年末から冬芽をふくらまして寒に入る頃から開きはじめた。ロウバイは中国大陸が原産の落葉低木で、日本には江戸時代初期に渡来し、花弁の色が蜜蝋の色どりに似ていることからだといわれ、また蝋月陰暦の12月に咲くからという説もある。多くの枝を出して茂り、高さは4メートルにもなるというが吾家のそれは2メートル程度で枝数は多い。
 作家宮尾登美子はロウバイに随想を寄せる。
 ―戦中のこと私は見合をさせられた。縁談は成立しなかったが活けられていた蝋梅の芳香が甘美でひどくはげしくてまだ婚期には速い私にとって刺激が強すぎて頭が痛くなった。しかし今ではその爛熟の香りが嫌いではない。花の好みも女性の年の移り変わりと関わりがある―と。
 わが家のロウバイにメジロが来る。(鱧)


同じカテゴリー(札の辻)の記事画像
札の辻・21
同じカテゴリー(札の辻)の記事
 札の辻・21 (2016-07-30 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-23 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-16 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-09 00:00)
 札の辻・21 (2016-07-02 00:00)
 札の辻・21 (2016-06-25 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。