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2013年02月02日

札の辻・21

 幾山河をふりかえり
 つつ今宵また芋焼酎
 にほろりと酔う
九州在住、元新聞記者の古い友人から来た寒中見舞の一首である。
 この歌からわが身をふり返ると、飲酒の味を楽しむにはやはり日本酒だと思うのだが、近頃では飲みあとのさわやかさ、価の安さ、飲み加減の濃淡がとりやすいことなどで、もっぱら晩酌は芋焼酎又は麦焼酎の湯割りと決めている。
 ところで鹿児島産焼酎は奄美大島の黒糖焼酎を除くと大半がサツマイモ醸といわれ、県下に約130以上の焼酎業者があり、その風味に関して鹿児島県人は「カライモ独得の甘味と軽やかさ、それにスッキリとした酔心地で焼酎はイモに限る」と口を揃える。
 他方壱岐ではコメ焼酎はコメに含まれる脂肪分が変質して臭味が出るし、イモ焼酎は独得の匂いをもつ、それらに比べて壱岐のムギ焼酎はサラッとして軽い。それに壱岐の海ではアワビ、サザエ、ウニ、イサキ、クロダイが焼酎の肴にぴったりだという。
 詩人草野心平は―寒さの冬には焼酎片手の大根鍋がいける。大ぶりな大根を厚く輪切りにし。コンブを敷いた鍋にかける。湯気の立つ大根をユズ味噌でかぶりつく。四分の焼酎を六分の湯割りで夜寒を忘れる。“詩談、蛙の寝言”―詩人にあらずとも、寒夜の湯割りはコメ、イモ、ソバ、ムギと多醸をきわめている。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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