サンデー山口

　ホテルマンから敏腕コンサルタントへ―。
　昨年12月、異色の経営コンサルタントが誕生した。有名ホテル取締役副社長からの転身を果たした正木篤志さんだ。
　正木さんは90（平2）年、萩信用金庫（現萩山口信用金庫）に入行。その後、実家でトマト栽培に従事した後、00（平12）年に山口県内でも屈指の規模を誇る萩グランドホテル天空に入社した。同ホテルでは、主に営業畑を歩んだが、取締役副社長として全社のマネジメントに携わるようになってから、コンサルタントの仕事にも興味を持ち始めたという。
ホテルマン時代には、自らの手腕で地域シェア20％強を獲得するなど業績の安定に貢献した。経営者からはその手腕を高く評価され、旅館や飲食店の再建業務にも取り組み、短期間に売り上げを3倍に増やすなど数々の功績を打ち立てた。
　開業40年目を迎えた有名ホテルの取締役副社長という地位を投げ打ってまで新分野に挑む理由について「与えられたものばかりでなく、自分自身で切り開き、前に進みたかった」と話す。
　正木さんの勤務先は、日報ステーション（中司祉岐社長、TEL083－976－4124）。現在、10件の顧客を担当している。同社は「日報」で行動を振り返り、無駄をあぶり出して次のアクションにつなげていく新手法で、急成長を続けるコンサルティング会社。正木さんは「一方的ではなく双方向のコンサルティングで、日々変化し改善していくクライアントを感じることができるのがうれしい。将来的には60社のサポートが目標」と意気込みを語る。
　アマゾン総合ランキングで昨年1位を獲得した「なかづか日報」の著者で知られる同社の中司社長は正木さんに「異業種とはいえ経験も豊富で心強い」と期待を寄せる。
　同社は山口だけでなく、東京・名古屋、大阪にも活動拠点を広げ、今春には北部九州にも進出する予定。