サンデー山口

　早朝5時、空が暗く雨が降りそうだったけれど、近所を散歩してみた。ウオーキングではなく、ぶらぶら散歩。
　右に行こうかな、左にしようかな？ 左の道では、ランニングに半パンの初
老の男性がラジオ体操をしている。ほう、お見事。足にも腕にも、いい具合に筋肉がついている。その前を通るのは恥ずかしいから右に行く。
　アパートから赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。水色のカーテンが開きお母さんが窓を開ける。おはよう、赤ちゃんに起こされたのね。寝不足？　今日は、オシメは乾かないわ。Ｋさんの田んぼまで来ると雨が降ってきた。小さい波紋が田植えのすんだばかりの苗の間に広がる。傘は持っていない。濡れながら歩く。合鴨が3羽、尾を空に向けて逆さになって、雑草を食べている。山頭火は、鴨が好きだったらしい。突然、いつかスペインに行って、団栗だけを食べて育ったイベリコブタを食べてみたい、と思った。私はお腹が空いている。
　おたまじゃくしがツツーと泳ぐ。
　アスファルトの車道で蛙が轢かれていた。両手両足を伸ばして平たくつぶれていた。ここは、3年前までは細い畦道で、蛙の道だったのだ。
　血の巡りが良くなったのか、身体が熱くなった。イベリコブタを食べたら、献血しよう。いい血が取れるだろう。