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2013年07月13日

札の辻・21

 うしろすがたのしぐれてゆくか―「山頭火漂泊の生涯」の著作者で文芸評論家の村上護氏(71歳)が6月末に亡くなる。
 =山頭火は住所不定、放浪流転の俳人として知られている。文字通り大自然を住処とし山野を歩いて句作をすることを条件としたことで知られ、無一物を標榜する一種の世捨人という境遇に徹した=と村上氏が解説する(山頭火全句集・春陽堂版)巻末の一節である。
 湯田温泉の風来居に住んだ頃の山頭火についても山口在住の詩人和田健氏や中原中也の家族たちとの交遊に関しては村上氏が次のごとく詳述している。
 =「詩園」同人の和田健は風来居に山頭火を訪ね、詩誌に掲載する原稿を依頼し、山頭火はこれを受け○赤い靴下○という短文を書いた=と。
 風来居でのくらしは温泉につかる日が多い。
『湯田は温泉がゆたかなのでおちついて居れます、朝起きるとすぐ一浴、それからあれこれ日が昏れる。ここで一杯というところですが、それはそれとして就寝にまた一浴、おかげでグッスリと眠れます。(毎回の湯銭6銭)はこたえます』との友人宛一文も紹介。
 村上氏の山頭火を一読すると、さすらいの俳人として一笠一杖を手にし、破れ僧衣をまとい生涯を漂泊行乞に徹した俳人がつまびらかである。山頭火の句をひとつ。
 湯があふれる憂うつ
 が溶けて流れる
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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