サンデー山口

　驚嘆する出来事に出会うことはよくある。私の感動の順番を文字にすると、一番がすごい、二番目がスゴイ、となる。すごい、の例ではこういうのがある。Ｋ市でレストランに入り、考えるのが面倒なのでメニューの一番目に書いてあったランチを頼んだ。ポタージュスープ。無農薬のサラダ、焼きたてのパン、柔らかなローストビーフ、舌ビラ目のムニエル、アイスクリーム添えリンゴのタルト、コーヒー。…500円、食器も味も申し分ない。イスのクッションも良好。窓ガラスもピカピカ。すごい！　うろ覚えの“Ｇ・Ｉブルース”を口ずさむ。
　スゴイ、は黒の抗菌綿棒。
　耳を掻く綿棒。普通は白い綿棒ですよね。でもね、真っ黒の綿棒は、スゴイんですよ。ご存知ですか？
　まず普通の竹の耳掻きで耳の中をぐるぐると掻く。その時、耳垢は外に出さない。中に留め置く。おもむろに真っ黒の綿棒を取り出し、ゆっくりと耳の中に入れる。クルリと一回転、静かに引き出す。スゴイ、びっくり。黒綿棒に褐色の耳垢が裾の方をヒラリヒラリと扇風機の風に遊ばせながら幾つもくっついて出てくる。スゴイ！　黒綿棒だけできるこのリアリティ。快感。この発見スゴイですよね。耳垢の少ない人はスゴイ、を実感できないかもしれない。残念ですね。