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2013年10月26日

札の辻・21

 不漁と伝えられているサンマの刺身が山口のスーパーに出たので箸をつけることができた。
 佐藤春夫の詩“あはれ秋かぜよ情あらば伝へてよ”の秋刀魚の歌を思い出す。
 秋の味覚を代表するとまでいわれるサンマも江戸の中頃までは冷遇され下級魚として魚鑑にも記されず、その脂肪を利用して灯油に用いられるだけだったという。
 しかし江戸末期の旧暦10月20日のえびす講にはサンマが供えられるようになり、その頃から江戸の漁師達が流し網でサンマ漁を行うようになってきた。
 江戸で、サンマの味が庶民にも親しまれるようになったことは、落語の目黒のサンマで知られている。
 将軍が狩猟の帰路に目黒の茶店で食ったサンマの味が忘れ難いというはなしはおもしろい。
 今のサンマは大ぶりでツヤがあり身のそり返ったものを選んで刺身や塩焼きとする。
 サンマは回遊魚なので初秋の頃北海道から南下して10月には三陸沖に到達し寒流から暖流へと乗り移り、千葉の九十九里沖を経て熊野灘に至り九州へと回遊はつづく。
 男ありて
 今日の夕餉にひとり
 さんまを食ひて
 思ひにふけると。 
 詩人のサンマと違って山口でのサンマは回遊の海から離れてはいるのだがあはれ秋風の運ぶ季節の味である。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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