サンデー山口

　「山口メセナ倶楽部」の存在をご存じだろうか？
　この組織は、94（平6）年6月の設立で、今年20周年を迎える。山口大人文学部の小谷典子教授（当時）が、読売新聞山口版に「都市の品位向上と企業の社会的責任」という文を寄稿したのが、発足のきっかけだ。
　会員企業・個人が毎月1万円を拠出・積み立て。助成申請された地域の民間文化活動に対し、審査の上、金銭面での支援を続けている。これまでに334件・6035万円の助成を積み重ねてきた。申請件数・助成件数・助成金額を年度別に見てみると、94年度＝18件・18件・約359万円▽95（平7）年度＝13件・13件・約291万円▽96（平8）年度＝31件・31件・約666万円▽97（平9）年度＝23件・22件・約475万円▽98（平10）年度＝20件・20件・約295万円▽99（平11）年度＝18件・17件・421万円▽00（平12）年度＝15件・13件・141万円▽01（平13）年度＝16件・14件・131万円▽02（平14）年度＝22件・19件・約414万円▽03（平15）年度＝21件・20件・約522万円▽04（平16）年度＝25件・21件・約454万円▽05（平17）年度＝19件・13件・約197万円▽06（平18）年度＝16件・12件・約119万円▽07（平19）年度＝13件・10件・約141万円▽08（平20）年度＝18件・17件・265万円▽09（平21）年度＝19件・18件・251万円▽10（平22）年度＝16件・15件・約206万円▽11（平23）年度＝16件・14件・約300万円▽12（平24）年度＝22件・20件・283万円▽13（平25）年度＝15件・11件・約182万円となっている。
　さらに同会では、年間助成事業のうち優れたものに「読売山口メセナ大賞」を贈呈。これまで、アートふる山口、日本のクリスマスは山口から、山口鷺流狂言保存会、山口室内オペラ工房、劇団演劇街などの催し・団体に授与してきた。
　今年7月には20周年記念事業も予定している。また、入会および助成申請は、年間を通じて受け付けている。詳しくは、事務局（山口商工会議所内、TEL083－925－2300）へ。

メセナ倶楽部の成人式 山口メセナ倶楽部審査委員長 小谷典子

　平成6年に誕生した「山口メセナ倶楽部」が20周年を迎える。人間であれば、成人式である。
　メセナとは、芸術文化を支援する意味のフランス語で、企業の財団が、音楽ホールや美術館を運営しているのは、わかりやすい例である。
　山口市には大きな企業がないにもかかわらず、会費制の形をとって地域に根ざした、全国的にもきわめて珍しいメセナ組織が誕生したのである。
　きっかけは、地域に立地する事業所は、そのまちの顔を作る責任があるという趣旨の、私が読売新聞に書いた「都市の品位向上と企業の社会的責任」であった。当時の、山口商工会議所会頭、山口信用金庫理事長、読売新聞山口総局長と私の4人が、山口の地にふさわしい社会貢献のあり方について、智恵を出し合って形にしたものが、メセナ倶楽部である。
　事務局は山口商工会議所におかれ、これまで、334件の事業に対して、およそ6千万円の助成を行ってきた。顕著な事業には「読売山口メセナ大賞」も贈呈される。
　その一例が「アートふる山口」で、今ではすっかり地域の祭りとして定着した。メセナ倶楽部によって、心なしか、山口のまちの文化の香りが高まったと思えるのは、親の欲目であろうか。