2014年01月08日
おめでとうございます
皆様には、お健やかに新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
世界の最初の一日 長田弘
水があった/大いなる水の上に、/空のひろがりがあった。/空の下、水の上で、/日の光がわらっていた。/子どもたちのような/わらい声が、漣のように、/きらめきながら、/水の上を渡ってゆく。/遠ざかってゆくわらい声を、/風が追いかけていった。/樹があった。/樹の下には蔭が、/蔭のなかには静けさがあった。/(世界がつくられた)/最初の一日の光景は、きっとこんなふうだったのだ。/人ひとりいない風景は、/息をのむようにうつくしい。/どうして、わたしたちは/騒々しくしか生きられないか?/世界のうつくしさは、/たぶん悲哀でできている。
早朝、日の出の頃、山の峰々が昇ってくる太陽の光に照らされ、曙色に染まる。その上の高い空はまだ暗い。山の裾の町には、幾つかの光は灯っているが、いまだ黒々とした闇の中にある。もうすぐ人々は起き出し、新年の挨拶を交わし、これからの一年、笑い泣き、喜び、怒り、抱き合ったりする。町は、明るい新しい光に包まれる。
私は昨年の暮れに靴を買った。新しい靴紐をギュっと締め、強く結んで初詣に出かけた。今年は、しっかりと大地を踏みしめて歩きたい。
世界の最初の一日 長田弘
水があった/大いなる水の上に、/空のひろがりがあった。/空の下、水の上で、/日の光がわらっていた。/子どもたちのような/わらい声が、漣のように、/きらめきながら、/水の上を渡ってゆく。/遠ざかってゆくわらい声を、/風が追いかけていった。/樹があった。/樹の下には蔭が、/蔭のなかには静けさがあった。/(世界がつくられた)/最初の一日の光景は、きっとこんなふうだったのだ。/人ひとりいない風景は、/息をのむようにうつくしい。/どうして、わたしたちは/騒々しくしか生きられないか?/世界のうつくしさは、/たぶん悲哀でできている。
早朝、日の出の頃、山の峰々が昇ってくる太陽の光に照らされ、曙色に染まる。その上の高い空はまだ暗い。山の裾の町には、幾つかの光は灯っているが、いまだ黒々とした闇の中にある。もうすぐ人々は起き出し、新年の挨拶を交わし、これからの一年、笑い泣き、喜び、怒り、抱き合ったりする。町は、明るい新しい光に包まれる。
私は昨年の暮れに靴を買った。新しい靴紐をギュっと締め、強く結んで初詣に出かけた。今年は、しっかりと大地を踏みしめて歩きたい。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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