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2014年04月09日

花・花・花

 今年は、沢山、桜を見た。といっても三月末から十日間のことだ。それも同じ場所の同じ桜。刻々と桜は表情を変えるし、流れる川の水量も違っていたから、一度として同じ風景はなかった。山口市の後河原、一の坂川沿いの桜並木の美しさは巷に轟いている。遠方からの友人達を五回、総勢二十人を案内した。八十歳のボーイフレンドA氏から、保育園のボーイフレンドBちゃんまで、桜並木の下を歩いた。
 A氏は、桜ではなく櫻と書く。
“櫻という字を分解すれば二貝の女が木にかかる”と抑揚をつけて歌いながら、漢字の覚え方を教えてくれた。
 Bちゃんは、爪先立ちしながら一生懸命に花びらを数えていた。「五枚だ、僕の歳と同じ」と大喜び。
 昼食は川沿いのレストランで、桜を見ながらお花見弁当を食べた。五回とも同じ店で同じ弁当。幸せ。
 桜の花の妖気に酔って帰宅したら、門の側のピンクの椿が拗ねていた。
―なによ、浮気者。おまえが一番きれい、と言ったくせに―。花弁が一枚風に舞った。盛りの椿に頬を寄せ、きれいだよ、とささやいた。
 庭に回ると、赤紫の木蓮の花が、
―見て、見て、私を見て―とさざめく。黄色の水仙が並んで一斉に私を招く。タンポポが顔を上げ、金柑の実が光る。
 ああ、みんなきれいだよ。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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