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2014年06月21日

札の辻・21

 ハモは夏期の瀬戸内を代表する魚のひとつである。山口市はもちろん京都をはじめとする各地の祇園まつりの頃にハモの味が親しまれてくる。
 長く伸びて先は折れ曲がった鼻っぱしら、ギョロリとした眼、ガッと開けた口には鋭くとがった歯が並ぶ。昼の間は海底の岩場や藻の蔭に身をひそめて、夜になるとエサを求めて活溌に動きはじめる。エビ、カニ、小魚が好物で絶対にのがさない。体長があるのにすばしっこい動きを見せる。
 やたらに噛みつく習性があるからハモ漁に馴れた漁師でもつり上げるとまず糸を切る。
 ハモ料理が好きだった俳優金子信雄は随想に、=魚は鮮度が勝負である。ハモが手に入れば家に帰って料理にかかる。
 まずはハモの落とし、片手鍋に湯をたぎらせて塩をひとつまみ、湯の中でひと切れずつ湯びきする。身が白くなったらひきあげ氷水で冷やす、ワサビ醤油か梅肉酢でたべる。ハモの時季がたのしい。(講談社版腹が鳴る鳴る)の一節。
 関西各地の祇園まつりになくてはならぬものがハモ料理。遠く又近くにひびきわたる祇園囃子を聞きながら、小座敷で吸物椀の底に白いハモの身が丸まり黄色いユズの皮と共にたのしむ。
 暑い山口盆地の夏を一瞬忘却するかのように海の味覚をハモは伝える。
 京都より山口は海に近い。梅雨あけの祭りハモが待っている。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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