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2014年09月13日

札の辻・21

 山口線の鉄道工事が終了し津和野まで列車が完走するようになった。
 これから紅葉期を迎える長門峡の川音も近く感じるような気分となる。
 長門峡の入口には旧阿東町篠目出身の作家氏原大作の文学碑が在る。
 氏原は日支事変に従軍し“幼き者の旗”や“かぶとの梅”など兵隊作家としても知られ、戦後は中央文壇でも活躍していく。
 往年の国鉄山口線を主軸にした作品“花の木鉄道”がある。
 =鉄道工事がはじまってから、いつの間にか一年という年月がたち、村にはまた春がめぐってきた。薬草山のトンネルも開通し駅の建物も落成し開通式を待つばかりになった=(講談社版)。
 “しかし三十有余年のむかし、少年時代のわたしの郷里に鉄道が開通した時、素朴な村人が文化に対して示したよろこびをひとつおぼえのごとくこの作品を書いた”作者のあとがきである。
 汽車開通=のこの作品は朝日放送のラジオ番組で31回にわたり放送され、終回の頃から氏原大作は病床にあった。
 津和野から山口までの全線回復ができた。
 新秋の風が吹き抜ける駅頭には、通学生たちの話し声もにぎやか。
 
 村の大きな時計は
 ひねもす動いていた
 時を打つ前には
 ぜいぜいと鳴った。
 
 中也の詩“村の時計”より。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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