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2015年02月18日

頭 足 尻尾

 私は冬になり冷たい風が吹いてくると、いつも悩むことがある。“狸の襟巻き”のこと。ちょっと問題があるのだ。襟巻きには、本物の頭と足と尻尾がついている。70年前に、故里の村の猟師が雪山で立派な冬毛の狸をパーンと鉄砲で撃って内臓を取り出し、処理し、襟巻きにしたリアルな代物。
 狸の頭を見て、バスの隣席の子供が泣いた。足の鋭い爪を見て「自分だけ暖かかったら狸を殺してもいいのですか?」と親戚の中学生に詰め寄られた。「動物愛護を知らないの?」と酔っぱらいに狸の尻尾を捕まれた。
 頭と足を切ってしまおうか、頭と足があるから正体がわかる。
 いや、まて、まて、早まるな。
 今年、戦後70年。70年前の何もない時代、私の故里の山には、狸に狐、鼬に猪、沢山いた。猪は仕留め、牛蒡を入れて味噌で味付けして食べた。ご馳走だった。狸に狐、鼬は襟巻きにした。女や子供の首を守った。そうやって生き延びてきた。
 そうだ、そうだ、もっと考えろ。
 猟師が冬山で身の危険と引き換えに、手にした狸の襟巻き。そんじょそこらの物とは違う。頭、足を切るなんてなんたる侮辱。取り返しのつかないことをするところだった。70年前の凛々しい精神のつまった狸の襟巻き。さあ、出かけよう。頭、足、尻尾を北風に靡かせて。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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