サンデー山口

▲藩主・毛利敬親

（18日付・松前了嗣さん寄稿の続き）

光明寺党

　その頃、幕府がこの年の5月10日を「攘夷実行の日」と定めたのを受け、山口に京都から久坂玄瑞ら有志が帰国してきました。
　藩から関門海峡の防御を任された彼らは、すぐに下関へと走り、共に下った公家・中山忠光を党首に担ぎ、自らを光明寺党と名乗りました。
　この時のメンバーは、玄瑞の他に、吉田稔麿・入江九一・野村靖など、主に松下村塾出身者で構成されていました。これが、後に奇兵隊の母体となりました。

攘夷実行

　5月10日の夜更け、光明寺党は、関門海峡を通行中のアメリカ商船・ペンプローグ号を砲撃。これを皮切りに、フランス軍艦・オランダ軍艦などを次々と砲撃し、気勢をあげました。
　しかし、6月に入ると、アメリカやフランスの軍艦に報復攻撃を受け、長州藩の砲台・軍艦はことごとく破壊されました。
　その敗報はすぐに山口に届きました。
「こりゃあいけんことになった…」
　藩主・毛利敬親は頭を抱えるのでした。
（続く。次回は4月1日付に掲載します）