サンデー山口

▲前田砲台跡（下関市）

（15日付・松前了嗣さん寄稿の続き）

馬関戦争

　山口に呼び出され、下関出張を命じられた晋作は、伊藤博文を伴い、早駕籠を走らせます。関門海峡の砲声が小郡まで聞こえてきます。
　そして、その道中、下関での開戦を知らせるため、山口へと急ぐ井上馨と出会いました。
　「馬関がやられよる！」
　この日、4カ国連合艦隊は17隻の軍艦、約5千人の兵を率いて総攻撃を開始。
　対する長州藩は、奇兵隊士らが国産の青銅製の大砲で応戦。しかし、戦力の差は明らかでした。
　やがて、各砲台はことごとく沈黙させられ、前田砲台には連合国軍の兵、約2千人が上陸。砲台は破壊され、大砲は奪い去られ、長州藩の敗北は決定的となりました。

講和談判

　8月8日、連合艦隊旗艦ユーリアラス号にて、連合国軍との講和談判が始まりました。
　この時、晋作は、正使として出席。宍戸刑馬と変名します。そして、副使には、杉孫七郎、渡辺内蔵太。通訳は、井上馨、伊藤博文のふたり。
　こうして談判が始まりますが、このことを知った藩内の攘夷論者らは猛反発。談判の後、晋作と伊藤は、彼らから命を狙われることとなり、一時、有帆村（現・山陽小野田市）に身を隠すことになったのです。
（続く。次回は29日付に掲載します）