サンデー山口

▲幻想的な炎のトンネル


▲左：新ちょうちんツリー　中：提灯山笠　右：すだれちょうちん

　紅の炎で山口市の夏の夜を染め上げる「山口七夕ちょうちんまつり」が、6日（木）と7日（金）、市中心部で開かれる。“静”（紅ちょうちんが作り出す幻想的な炎のトンネル）と“動”（勇壮な山笠、御輿、よさこい）とで彩られるこの催しは、秋田の「竿灯」、青森の「ねぶた」と並ぶ「日本三大火祭り」の一つにも数えられ、そのことは第23回世界スカウトジャンボリーの山口県パビリオンでも、広く世界に紹介された。もともとは、大内氏26代盛見が、父・弘世の冥福を祈るため笹竹の高灯籠に火をともしたのが、いつしか庶民の間に広まったと伝えられており、約600年もの歴史がある。

6・7日

　長い竹ざおに1本当たり40個の紅ちょうちんを飾りつけ、午後7時に一斉点灯―。中心商店街（西門前、道場門前、米屋町、中市、駅通り、新町）と大殿地域、そして今年は新たに一の坂川沿い（御局橋～千歳橋）と一の坂川交通交流広場（中河原町）にも、炎のトンネルがお目見えする。灯入れは一つひとつ手作業で、地域の人たちの「伝統行事を守り、伝えていこう」との強い気持ちに支えられている。アーケード内でろうそくに火がともされるのは、全国的にも非常に珍しいことだ。
　さらに今年は、交通交流広場に、新調された「ちょうちんツリー」が初登場する。「日本のクリスマス発祥の地・山口市」をＰＲするために、山口商工会議所青年部（山下鉄旨会長）によって99（平11）年に製作されたちょうちんツリーだが、老朽化も進んでいた。加えて、高さ16メートルのツリーは、設置の度にクレーン車によるつり下げが必要だったため、「出動」できる機会・会場も限定されていた。そこで、高さを8メートルに抑える代わりに、設置が簡単なツリーを新調した。ちょうちんの数は200個で、点灯方式はこれまでのろうそくからＬＥＤに変更された。初「出動」は、世界スカウトジャンボリー会場での「やまぐちナイト」（7月31日）。「今後も、各地の色んな催しに『出動』し、『山口七夕ちょうちんまつり』と『日本のクリスマスは山口から』をＰＲしていきたい」と、瀧下信彦まちづくり委員長。6日午後7時からは、点灯式もある。また、提灯御輿1基も同広場に展示される。
　「レストコーナー」は新亀山公園ふれあい広場（中河原町）に、カーコーナー・レトロカーコーナーは県道204号線に設けられる。

6日は、つながる大殿、舞楽祭、山笠 7日は、ＭＩＮＡＫＯＩ、湯田まつり

6日

　「つながる大殿七夕ちょうちんの灯」の幕開けは、午後6時からの「大内氏御霊なごめ祭り」。歴代大内氏を、築山神社（上竪小路）で慰霊する。続いて6時40分から八坂神社（同）で「火起こしの儀」があり、採火された火をちょうちんに分灯。境内と各町内には約1200個の紅ちょうちんが並ぶ。また、山口ふるさと伝承総合センター（下竪小路）では、縁日や和楽コンサートが8時半まで楽しめる。
　新亀山公園ふれあい広場の特設ステージでは「ｙａｂ舞楽祭2015」が、7時から9時半まである。出演はアンリミテッドトーン、梅若流梅若会（秋田民謡）、和田名保子（オカリナ＆ケーナ）、スタジオＦ（ダンス）。
　「山口十境詩」に彩られた提灯山笠と、約150個のちょうちんで飾られた提灯御輿2基の巡行は、8時から約1時間。県道204号線とパークロードを練り歩く。

7日

　午後5時半から、同公園特設ステージ、パークロード、交通交流広場の3会場を舞台に「ＤＡＮＣＥ　ＷＡＶＥ　ＭＩＮＡＫＯＩのんた」が開催。よさこいなど約30団体が演舞し、まつりを華やかにする。
　約500個のちょうちんによって「山口」の文字が浮かびあがる、縦14.5メートル、横38メートルのすだれちょうちんは、7時にパークロードに登場。前日に巡行を終えた提灯山笠も、同所に展示される。
　湯田温泉街でも祭りは開催（7時～9時半）。湯の町通りと中也通りにちょうちん笹飾りが設置され、中心商店街同様、紅のトンネルが楽しめる。
　誰でも火入れ体験のできる、人の背丈ほどのミニツリーは、①パークロードに90基（6時半～）②交通交流広場に20基③山口商工会議所前に10基④駅通りに10基⑤錦川通り（湯田温泉）に40基（いずれも7時～）が設置される。さらに④と⑤は、願いを書いた短冊を飾りつけることができる。