サンデー山口

▲惟馨周徳「山水図」 室町時代

　現在開催中の「ドラッカー・コレクション珠玉の水墨画」展。ドラッカーとは、最近「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でその名が大いに広まった経営学の泰斗。でも彼が日本の古美術のコレクターであったことは、あまり知られていないだろう。
　ドラッカーは収集した作品を仕事部屋に掛けていたという話を聞いた。美術を愛玩するというより、もう少し自分と対等なものとして作品を見ていたような気がして、印象に残った。
　私もこのコレクションのなかから1点部屋に掛けるとしたらどれだろうと思い、仕事部屋にならと選んだのがこの山水図。そもそもドラッカー自身はどの作品を掛けていたのか気になってカタログを詳しく読んでみると、写真があった。それが、どうも、この作品のようだが…。
　偶然の一致とはいえ、ちょっと驚いた。
県立美術館副館長　斎藤　郁夫