2016年04月30日
5月8日 中村女子高同窓会・叢咲会がDVD「純真」制作 中村女子高同窓会・叢咲会がDVD「純真」制作

▲「純真」を手に河上さん
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
1867(慶応3)年創立、149年の歴史を誇る山口県内唯一の女子高・中村女子高。同校の同窓会・叢咲会(藤村代利子会長)が、学徒動員に関する映像をまとめたDVD「純真」(約30分)を制作した。同窓会総会後の5月8日(日)午後1時から、同高体育館(山口市駅通り1)で公開上映される。誰でも見ることが可能だ。
太平洋戦争中、中村女子高(当時は中村高等女学校)の生徒は、383人が学徒動員。人間魚雷「回天」に搭載する魚雷製造などのため、光市の軍需工場で働いた。だが、終戦前日の1945(昭和20)年8月14日昼過ぎ、B29爆撃機による爆弾投下によって防空壕がつぶされ、33人が生き埋めになるなどして死亡した。同校校庭には戦没者慰霊碑があり、毎年8月14日には慰霊祭も開かれている。
同窓会副会長で総会の実行委員長を務める河上桂子さんは、慰霊祭の席上、当時の悲惨な状況を生存者から聞く機会が何度かあった。その中で、「もっと多くの人にこの事実を知ってもらいたい」と、強く思うようになったという。「語り部」たちが86、87歳の高齢になったことと、昨年が戦後70年の節目の年だったことをきっかけに、当時の映像や学徒動員された人たちの証言を映像にまとめていった。
DVDは、①戦没者慰霊碑「純真の碑」の紹介および昨年8月14日の「追悼のつどい」の映像②戦前の同校の様子や山口市内を撮影した写真とその説明③光市にあった海軍工廠と小倉市(現北九州市小倉北区)にあった「風船爆弾」工場の小倉陸軍造兵廠の写真とその説明④空襲後の光海軍工廠跡地の映像。B29爆撃機連隊が市内上空を飛んでいる映像も⑤杉村純子さんら学徒動員体験者11人の証言、で構成されている。
8日の上映を一般公開する理由について河上さんは「光では、山口高の生徒も16人が犠牲になった。一方、中央高の生徒は風船爆弾製造のため小倉に駆り出された。この学徒動員の悲劇を、もっと多くの市民に見てもらいたいから」と話す。上映前には、取材や資料集めのエピソードも披露され、会場には太刀洗平和記念館(福岡県朝倉郡)から貸与された「風船爆弾を製造する学生の写真」なども展示される予定だ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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