2016年05月11日
目・目・目
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
昨年末に買った新年号の雑誌にカレンダーが付録でついていました。2カ月ごとにめくるものです。3月と4月は、踊る男女の上半身が拡大された「田舎のダンス」(ルノワール)。
ベッドの脇に掛けているので、起きると同時に娘さんと目があいます。男性の肩に手をかけてダンスしている女性。まだ若い20歳くらいの紅色の頬の娘さんと目があうのです。純朴そうな気のいい娘さんです。「おはよう」と私は言います。娘さんはちょっと微笑むだけです。ダンスに夢中です。2カ月も見続けていると、幸せを見せ付ける娘さんの目に、へきえきしてきた。幸せな目は、私を飽きさせる。やっと5月になったので、カレンダーをめくりました。
おっ、なんということ。強烈な目が私を睨んでいます。「自画像」(ゴッホ)。黄色い帽子に黄緑色の髭。赤い耳とそれより赤い唇のゴッホ。目は少量の黒に緑色を混ぜたような色。人を射るような目。5月、6月とこの目と朝の挨拶を交わすのか…。この目になんと挨拶をすればいいのか。低い声で-おはようございます。圧倒されて目覚められない。もう一度布団にもぐりこんでしまいそうだ。次を捲る。なんだこれは!巨大な魚の目。「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」(歌川国芳)。夏は魚の目に見据えられるのだ。
昨年末に買った新年号の雑誌にカレンダーが付録でついていました。2カ月ごとにめくるものです。3月と4月は、踊る男女の上半身が拡大された「田舎のダンス」(ルノワール)。
ベッドの脇に掛けているので、起きると同時に娘さんと目があいます。男性の肩に手をかけてダンスしている女性。まだ若い20歳くらいの紅色の頬の娘さんと目があうのです。純朴そうな気のいい娘さんです。「おはよう」と私は言います。娘さんはちょっと微笑むだけです。ダンスに夢中です。2カ月も見続けていると、幸せを見せ付ける娘さんの目に、へきえきしてきた。幸せな目は、私を飽きさせる。やっと5月になったので、カレンダーをめくりました。
おっ、なんということ。強烈な目が私を睨んでいます。「自画像」(ゴッホ)。黄色い帽子に黄緑色の髭。赤い耳とそれより赤い唇のゴッホ。目は少量の黒に緑色を混ぜたような色。人を射るような目。5月、6月とこの目と朝の挨拶を交わすのか…。この目になんと挨拶をすればいいのか。低い声で-おはようございます。圧倒されて目覚められない。もう一度布団にもぐりこんでしまいそうだ。次を捲る。なんだこれは!巨大な魚の目。「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」(歌川国芳)。夏は魚の目に見据えられるのだ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│おんなの目