2016年06月04日
7月31日 能・粟谷能夫、狂言・野村萬斎ら出演 野田神社能楽堂奉納80周年 山口薪能

▲「葵上」の一場面

▲「棒縛」の一場面
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
18回目となる「山口薪能」が、7月31日(日)午後6時半から、野田神社能楽堂で開催される。主な演者は、能・喜多流の粟谷能夫と、狂言・和泉流の野村萬斎。
毛利敬親公をまつる野田神社(山口市天花1)。その境内にある能楽堂は、1936(昭和11)年に「明治維新70年」を記念しようと建築された。今回は、その奉納80周年を記念する公演だ。ちなみに「能楽」とは、能と狂言とを抱合する総称で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。能ではシリアス芸(悲劇)が、狂言ではコメディー(喜劇)が演じられる。
演目は、粟谷らによる能「葵上」と、野村らによる狂言「棒縛」。さらに、舞囃子(「玉葛」)、仕舞「草紙洗小町」「鵜之段」も披露される。源氏物語に登場する「葵上」は、六条御息所が葵上を恨み取り殺す話。賀茂祭に出かけた両者の家来がいさかいを起こしたことで、光源氏の愛人・六条御息所が生霊となって正妻・葵上を苦しめる…。一方「棒縛」は、酒好きな2人の召使い、太郎冠者・次郎冠者と、主人とのやり取りを明るく描く喜劇だ。
1949(昭和24)年生まれの粟谷能夫は、喜多流シテ方。7歳で喜多流宗家に入門。粟谷能の会を主宰し、三鈷の会同人として新作能「鷹姫」や国立能楽堂企画公演新作能「晶子みだれ髪」に主演するなど、意欲的な活動を続けている。喜多流は、毛利藩お抱えだったことから、山口にもっともゆかりの深い能流派だ。
野村萬斎は、1966(昭和41)年生まれ。3歳で初舞台を踏み、1994(平成6)年に2代目萬斎を襲名した。狂言の普及に努める一方、NHK朝ドラ「あぐり」、映画「陰陽師」、NHKEテレ「にほんごであそぼ」への出演など、幅広く活躍中。著書も多数。
入場券は、S席1万2千円、A席8千円、B席5千円。購入は、山口観光コンベンション協会(JR山口駅2階、TEL083-933-0088)へ。
同能楽堂は、もともとは野田学園グラウンドの地に建っていた。1968(昭和43)年の市道新設に伴い境内地が分断され、以後20年以上放置されていたが、市民運動によって1991(平成3)年、「一括引移転工法」により解体せず現在地まで約120メートル移動。山口薪能は、その年に「復活」した。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│ニュース