サンデー山口

▲鷺の舞には大勢のギャラリーが

実際の紙面はコチラ（公開期間は発行から1カ月間です）

　7月も後半に入り、山口盆地に夏の訪れを告げる“祭りシーズン”がやってきた。トップを飾るのは、約560年もの伝統を持つ山口祇園祭。さまざまな神事・催しが繰り広げられる。
　最初の神事は、7月19日（火）午後8時から八坂神社において執り行われる「前夜祭」。ちょうちんの炎だけがほのかにゆらめく暗がりの中、本殿から3基の神輿に神様の分霊を移す「神輿遷霊祭」は、「神の載った神輿が、人々の迎える御旅所に祇園社から遊行する」との祇園祭の「あり方」が、最も実感できる瞬間だ。
　7月20日（水）午後6時からは、八坂神社（山口市上竪小路）で「例祭・御神幸本殿祭」が執り行われる。まず最初に扇の舞と鈴の舞との2部で構成される「浦安の舞」奉納。今年は、白石小5年の長瀬りささん、柳井佑菜さん、山内愛海さん、山根栞璃さんが、練習を重ねた優雅な舞を披露する。続いて「御神輿発輿祭」、山口県指定無形民俗文化財「鷺の舞」奉納、「御神幸式」がある。鷺の舞の初舞は、5時に萬福寺（山口市堂の前町1）黒地蔵前で。続いて頭屋前、札の辻で披露され、八坂神社は4回目の舞になる。
　そして7時には、3体の“暴れ”神輿が八坂神社を出発。白いサラシに白い半パン、白足袋姿の「男衆」が担ぎ、中心商店街など約2キロの市中を、御旅所（山口市駅通り1）を目指して練り歩く。今年の受け持ちは、8角（手名槌命・足名槌命、700キロ、150人）が宮野、6角（素盞嗚尊、650キロ、140人）が大殿、4角（稲田姫命、600キロ、130人）が白石の各地区。それぞれに、山口市内事業所・個人・団体の有志たちも、担ぎ手として加わる。
　神輿の露払いは、15人からなる備立行列と鷺の舞、1990（平成2）年に復活してから26年目を迎えた祇園囃子を奏でる2基の山車、菊水鉾と真車山が務める。2基による「魔法の屋根」の下でのもちまきは8時半ごろ。クライマックスでもある3基の神輿による“回し競演”などが繰り広げられ、9時ごろには3基とも御旅所に到着。「御神幸御旅所祭」として再度、鷺の舞と浦安の舞が奉納される。
　「御中日祭」の7月24日（日）　には、中心商店街を舞台に「市民総踊り」が開催。27団体・1409人が「大内の殿様」（青年バージョン）の曲に合わせて、踊り歩く。時間は、前半が午後7時半から8時、後半が8時15分から45分まで。前半のみ参加の子ども会は、早間田交差点から「魔法の屋根」までを巡回。「大人」は、「魔法の屋根」から山口地方裁判所前までを巡回する。一方、御旅所では、午後8時から「御中日祭」として浦安の舞が奉納される。
　また、7月26日（火）午後7時からは御旅所で、山口西京道院のメンバーが少林寺拳法の演武を奉納する。
　最終日となる7月27日（水）は、1997（平成9）年の初登場以来すっかり定着した「女神輿」が登場。午後7時からの「御還幸御旅所祭」で浦安の舞が奉納され、「御還幸式」が執り行われた後の7時半に出発。法被姿の約100人の女性たちが4角を担ぎ、8角（大殿）、6角（白石）とともに再度市中を練り歩き、八坂神社へと帰還する。神輿3基から本殿に分霊を戻す「御還幸本殿祭」は、9時を予定。