2016年09月07日
又、又、ゴッホの目
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
5月、6月と2回《おんんなの目》にゴッホの「自画像」について書いた。特に目。それと帽子の黄色と背景の中に散らばる赤色。それが忘れられない。
彼は、今大阪にいる。ゴッホの「自画像」は、デトロイト美術館所蔵。大阪市立美術館で「デトロイト美術館展」が開催されていて、彼は、モネ・ルノワール・セザンヌ・マティス・ピカソ・ドガ達仲間と一緒に天王寺公園の美術館に来ているのだ。
8月上旬、彼に会いに行った。日帰りの逢瀬。ゴッホの「自画像」に一直線のはずが、入口からドガの“楽屋の踊り子たち”の細い腰に魅せられ、モネの“グラジオラス”に立ち止まり、ゴーギャンの“自画像”の目に向き合った。この目は曲者。休憩中の草原の肉食獣の目。油断しているようでしていない。「こんにちは」と言うと「ああ」と答えるが、私に興味ないという目。目線が合わない。
「ゴッホさん会いに来ました」。返事がない。強烈な黄色。帽子はもとより髭も顔も黄色。青色の服。唇と耳と背景の花びらのようなものが赤。黄と青と赤。何か秘密がありそうな。目は私を見つめている。彼は私を感じてくれている。鋭い目ではない。深い目だ。「さようなら、ゴッホさん」。彼が頷いた。もう一生会うことはないだろう。彼の絵葉書を買って抱いて帰った。
5月、6月と2回《おんんなの目》にゴッホの「自画像」について書いた。特に目。それと帽子の黄色と背景の中に散らばる赤色。それが忘れられない。
彼は、今大阪にいる。ゴッホの「自画像」は、デトロイト美術館所蔵。大阪市立美術館で「デトロイト美術館展」が開催されていて、彼は、モネ・ルノワール・セザンヌ・マティス・ピカソ・ドガ達仲間と一緒に天王寺公園の美術館に来ているのだ。
8月上旬、彼に会いに行った。日帰りの逢瀬。ゴッホの「自画像」に一直線のはずが、入口からドガの“楽屋の踊り子たち”の細い腰に魅せられ、モネの“グラジオラス”に立ち止まり、ゴーギャンの“自画像”の目に向き合った。この目は曲者。休憩中の草原の肉食獣の目。油断しているようでしていない。「こんにちは」と言うと「ああ」と答えるが、私に興味ないという目。目線が合わない。
「ゴッホさん会いに来ました」。返事がない。強烈な黄色。帽子はもとより髭も顔も黄色。青色の服。唇と耳と背景の花びらのようなものが赤。黄と青と赤。何か秘密がありそうな。目は私を見つめている。彼は私を感じてくれている。鋭い目ではない。深い目だ。「さようなら、ゴッホさん」。彼が頷いた。もう一生会うことはないだろう。彼の絵葉書を買って抱いて帰った。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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