サンデー山口

実際の紙面はコチラ（公開期間は発行から1カ月間です）

　ある日　　岡田哲也
テーブルに種子鋏があります／ぎらりと光るその刃を見ていると　わたし／ぷすりとそれをわたしの腹に刺したくなるのです／／お昼前には会議がありました／ずらりと並んだ皆さんを見ていると　わたし／ええいと机をひっくり返したくなるのです／／夕方には電車に乗りました／近づいてくる電車を見ていると　わたし／待ったなしっ！と電車にぶちかましたくなるのです／／そうしないと鋏さんや皆さんや電車さんに悪いような／そんな気持ちにおそわれるのです／わたしは病気でしょうか　それとも症候群んでしょうか／／ううん　あるある　わたしもそんなこと／もちろんやりはしないけどさ　こういってあなたとわたし／一日がまずは終わりかけたことに乾杯するのです
　岡田氏は出水市在住の詩人です。
　総合病院に友人を見舞いました。朝十時頃でしたが、待合室にはもう五十人以上の人が椅子に座って診察を待っていました。病院独特の落ち着かないざわざわとした空気が人々の頭の上や足元に満ちていました。
　入院病棟に行くと、足早に行く看護師さんとすれ違います。キリリと髪が結ばれていて、とても頼もしい感じがします。友人は笑顔でした。
　皆さん、無事に一日が終わりましたか？　明日が今日よりも明るい日でありますように、乾杯！