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2018年02月07日

金平糖

実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)

 二十時、寝ようとベッドの布団を持ち上げたら、黄色の金平糖がコロリと出て来た。直径五ミリの小さな金平糖。ぶつぶつと角のある金平糖。あら、アナタどこから来たの? 思わず金平糖に訊ねたが知らん顔。そうだ、昼間ベッドに座って菓子の詰め合わせ袋を開け食べた。中にこの小さな金平糖が入っていたのだろう。金平糖を食べた記憶がないが、それしか思い当たらない。
 たった一粒忘れられて孤独に布団にはさまっていた金平糖。食べてあげるね。口の中で転がしながら寝た。
 私は蜜蜂になって飛んでいる。岩間に咲いている黄色の花を見つけ、羽を震わせ花びらの蜜を吸う。甘い、今日はいつもより甘い。何という花なんだろう、仲間に教えなきゃ。皆で蜜を集めて冬に備えよう。それにしても甘い。良い蜜が取れるぞ。
 うん? 目が覚めた。口の中が甘い。蜜蜂になった夢はまだ残像になって残っている。蜜を吸っていた…甘い。これは正夢か、私は蜜蜂になってしまったのかしら? バカな、手も太い足も健在。頬っぺたをペタペタ叩いて考えた。
 きっと、寝る前に食べた金平糖の微小の欠片が歯か歯茎の間に残っていたのだ。それが溶け出し口の中を花びらの中の蜜袋にしたのだ。
 味覚を伴った夢。虫歯へ一直線の夢。まだ口の中は甘い。美味しい。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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