2018年04月25日
ある朝
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
おはよう、ってつぶやきながら起きたら、黒いもやもやとした塊が胸の中にある朝がある。少しだけ胸がどきどきして苦しい。この黒いもやもやは何? 多分、細い不安の糸がからまって塊となったものだと思う。小さな不安の糸たちがある程度の塊になった時、私はそれに気づいて胸を押さえながら目覚める。そんな朝がある。
どんな不安が絡まっているのか? 追いかけられて追い詰められて、お決まりのように崖下に落ちる夢。誰に追いかけられたのかはわからない。気配しかない。その気配に追い詰められて死を覚悟して崖から落ちる。一週間も見続けたそんな朝。または、春の暖かい風に吹かれて、軽い頭痛がしばらく続くそんな日の朝。気の重たい約束のある日が近づいた朝。友達の耳に悪性腫瘍が出来て検査入院していること、窓ガラスの汚れが気になる。まだ厚手のコートが部屋にぶらりぶらり、木蓮の花が全部散った…そんな糸たちが絡まって塊を作る。
おはよう、ってつぶやいて黒いもやもやとした塊に気づいた朝は、その不安に知らんぷりして起き上がり、カーテンを開け、明るい東の空に向かって、エイエイオーと雄叫びを上げる。黒い塊は驚いて半分は消え、半分は私の身体のいろんな所に隠れる。また、次の不安を捕まえて塊になる朝を狙っている。
おはよう、ってつぶやきながら起きたら、黒いもやもやとした塊が胸の中にある朝がある。少しだけ胸がどきどきして苦しい。この黒いもやもやは何? 多分、細い不安の糸がからまって塊となったものだと思う。小さな不安の糸たちがある程度の塊になった時、私はそれに気づいて胸を押さえながら目覚める。そんな朝がある。
どんな不安が絡まっているのか? 追いかけられて追い詰められて、お決まりのように崖下に落ちる夢。誰に追いかけられたのかはわからない。気配しかない。その気配に追い詰められて死を覚悟して崖から落ちる。一週間も見続けたそんな朝。または、春の暖かい風に吹かれて、軽い頭痛がしばらく続くそんな日の朝。気の重たい約束のある日が近づいた朝。友達の耳に悪性腫瘍が出来て検査入院していること、窓ガラスの汚れが気になる。まだ厚手のコートが部屋にぶらりぶらり、木蓮の花が全部散った…そんな糸たちが絡まって塊を作る。
おはよう、ってつぶやいて黒いもやもやとした塊に気づいた朝は、その不安に知らんぷりして起き上がり、カーテンを開け、明るい東の空に向かって、エイエイオーと雄叫びを上げる。黒い塊は驚いて半分は消え、半分は私の身体のいろんな所に隠れる。また、次の不安を捕まえて塊になる朝を狙っている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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