サンデー山口

実際の紙面はコチラ（公開期間は発行から1カ月間です）

　この春の不規則な気温の変化にやられて、五日間寝込んだ。目まいがするのだ。起きては床が回り、寝ては見上げる天井が回る。食欲もない。前日食べた蕗の煮物がそのまま胃の中に残っているのかムカムカする。蕗を出したいのだけれど、体内から出ない。ああ～～。
　病院に行き、三つ、四つの検査をして太い注射をし、薬を飲んだ。
　上を向いて気分が悪いのを堪えていると、いろんなことが思い出される。Ａ子さんが「目まいがするのよ」と言った時、「そりゃ大変ね。お大事に」と言っただけだった。もっと寄り添えなかったものか。アイスクリームを買って届ければよかった（今、私が食べたいのだ）。ああ、皆さん、ごめんなさい。思いやりがなくて。
　夢見は良かった。薬に睡眠薬が入っていたのだろうか十時間ぶっ通しで寝た。長い夢を見た。中で深い脳の奥にいた人達がどんどん出てくるのだ。大概は亡くなった人達だけれど、懐かしかった。
　Yさんの腕に触ったら柔らかく暖かかった。皆さん、元気で笑っていた。泣いている人はいなかった。皆さん、ごめんなさい。私は恩返しもしていない。
　窓の外に真っ白のツツジが咲いている。さあ、起きなきゃ。