サンデー山口

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　「日本三大秘境の一つ椎葉村に近々行きたいと思っています。椎葉村はいつが美しい季節ですか」。四月上旬、椎葉村観光協会にメールを送り尋ねた。「椎葉村はいつの季節も魅力的です。近くなら新緑の季節をお薦めいたします。椎葉○○子」「椎葉村の椎葉さんなんですね」「椎葉村には、椎葉と那須の名字ばかりです」。こんなメールを十通ばかり交換して宮崎県東臼杵郡椎葉村への行き方と観光名所を教わった。
　私達は女三人連れ。椎葉村へは列車とバス、タクシーを乗り継いで行く。
　椎葉村には何があるのか？ 一番の目的は「民宿・焼き畑」に泊まること。この宿は、日本で唯一、伝統的焼畑農業を守り通し続けてきた家。山の斜面を焼き、アワ・ヒエ・蕎麦などを作る。椎葉家の中心人物は、94歳の椎葉クニ子さん。2005年「森の名手・名人」に選ばれている。2015年椎葉地域は農業世界遺産に指定された。宿の料理が楽しみだ。焼畑農業で作られた蕎麦は日本古来の種で絶品という。椎葉伝統の「ワクドー汁」（焼畑で採れた蕎麦の団子汁）、ヒエやアワの入った雑穀飯、野草の各種料理。焼畑の山も見たい。ヒエが芽を出している頃らしい。
　もう一つは八百年以上も前、栄華を誇った平家が源氏に追われ落ちた先、深い山中の秘境椎葉。ロマンがつのる。五月下旬出発した。