サンデー山口

▲「日本の近代化と科学教育機器」展示風景

実際の紙面はコチラ（公開期間は発行から1カ月間です）

　近代化のため殖産興業を推進する明治政府にとって、自然科学教育は重要な課題でした。1872（明治5）年に公布された学制の「小学規則」には窮理学（物理）・科学・博物・生理の四科目があげられており、初等教育の段階から自然科学教育に重きが置かれていました。また、中・高等教育においても、実験を含めた自然科学教育が実施されました。師範学校では、物理化学機器のリストが配布され、どのような実験を行い、何を学ぶのかが示されました。教科書の知識だけではなく、実験を通した諸現象の観察や理解が大切とされたのです。
　現在、博物館では、明治以降に使用された科学教育に関する収蔵資料約20点を展示しています。これらの資料を見ながら、かつて、これらの機器に触れることで自然科学、工学の知識を深め、日本の近代化に貢献した多くの人たちの姿に、思いを馳せてみてください。