2004年01月10日
嘉川に「子ども館」を

未来をしょって立つ子どもたちに自由な遊び場を。嘉川地区中心部に「子ども館」を作ろうと活動している「嘉川子育て支援連絡組織みらい」(山村正子代表)の構想が、地域団体の協力により新たな一歩を踏み出そうとしている。「子ども館」は遊び場だけでなく、青少年の居場所、異年齢の子どもの交流の場、育児の仲間づくりの場といった機能を持つ子育て拠点施設。嘉川地区自治連合会は来週にも、設置を願う陳情書を市に提出する。
「みらい」は、嘉川地区民生委員・児童委員協議会、嘉川幼児学級、嘉川地区母子保健推進協議会の3団体が、地区内に「子ども館」を設置する目的で01年に発足させた子育て支援組織。母親に向けたアンケートや地区内の公園・施設の実態調査、情報誌の発行、子育て交流イベントなどといった活動を展開している。昨年11月の地区文化祭では、段ボール箱で作った「ミニ子ども館」を展示。数日後、設置を求める要望書を市長に提出した。
この構想は「みらい」立ち上げ以前、約20年来温めてきた母親たちの願いを結集したもの。地区内に小さな公園はあるものの遊具やトイレがないなど不備が多く、公民館にしても利用に制限がある。また、近所で遊ぶ子どもが少なく、地域の結びつきの希薄化で孤立家庭が増加、子どもたちの異年齢間の付き合いもなくなっている。長年、主任児童委員を務める山村代表は「中高生の乳幼児とのふれあいは、親になった将来、きっと役に立つし、ボランティア精神の育成にもつながる。それに開放的な集いの場があれば、育児の負担も軽減できる」と、子どもたちの将来を見据えながら話す。
山村代表らが昨年視察した小野田市には、各小学校区に「子ども公民館」がある。地区社協職員とボランティアによって、日中・放課後はもちろん、土日も開館。ピアノやおもちゃなどの物品は地区からの寄贈でまかない、市と地区の協同で運営されている。「みらい」は小野田市をモデルに、戸外に遊具や砂場があり、自由に出入りできる職員在駐の施設を描いている。
また今年は「みらい」の地道な活動が契機となり、地区内の自治会、子ども会、青少協、社協、老人会といった組織を総括する同自治連合会が、子育て支援施設の設置を重要活動事項に掲げた。現在陳情書を作成しており、近く市に提出する。「将来を担う子どもたちのため、人づくりのためにも、地域をあげて支援したい」と益冨嘉男会長。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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