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2004年01月25日

やっぱり不安? 国民年金

やっぱり不安? 国民年金

 20歳以上60歳未満の人に加入が義務付けられている国民年金(基礎年金)。老後の生活を保障する重要な制度だが、急速に進む少子高齢化の中「将来、年金制度は破綻する」「支給額は減る一方で、払うだけ損」と、若年層を中心に不信感が高まっている。昨年度、自営業者や学生ら第1号被保険者の国民年金保険料未納者は全国で4割近くにのぼり、山口市・小郡町でも状況は同じだ。戸別訪問、2割会えたら…

 「日中、戸別訪問で2割の人に会えたら良い方」
 山口社会保険事務所(吉敷)年金担当の職員は、国民年金の保険料滞納者への個別訪問の難しさに頭を悩ませる。
 地方分権一括法により、02年度からそれまで地方自治体(各市町村)の担当だった年金保険料の徴収業務が国に移管され、各社会保険事務所が行うことになった。山口社会保険事務所の所管となったのは、山口市、防府市、小郡町、阿東町、徳地町、秋芳町、美東町、秋穂町。この管内で保険料を自分で納めなければならない第1号被保険者は約7万5千人、滞納者は約1万人にのぼる。
 同事務所の年金担当職員は8人、それに加えて、土日も動ける徴収専門の国民年金推進員は7人しかいない。職員は「未納者には年金制度の趣旨をしっかり理解してもらうため、きめ細やかな個別訪問が必要」と話すが、これだけの職員数ではなかなか手が回らないのが現状だ。さらに、近年の核家族化、フリーターの増加、制度に対する誤解・不信感などが業務を困難なものにしている。「若い人は特にそうだが、制度への関心が低い。まず、会って納得してもらえるよう説明したいのだが、それすらできない」と職員。

納付率、山口・小郡でも急落
 県下の社会保険事務所を統括する山口社会保険事務局(大内矢田)によると、02年度の第1号被保険者の保険料納付率は、山口市で70・4%、小郡町で69・7%、県全体で68・0%。これは、市町村が徴収していた01年度に比べ、それぞれマイナス20・1ポイント(01年度納付率90・5%)、19・0ポイント(88・7%)、13・1ポイント(81・1%)と、大幅に落ち込んだ。
 同事務局年金課は、その要因について①組織変更による対応の遅れ②免除対象者の申告忘れ③学生の猶予制度無届④制度への不信感――を挙げた。同課は「未納者が3割、4割になったと聞くと、将来を不安に思う人もいると思う。しかし、第2号などを含めた国民年金被保険者数全体から見れば、未納者は5%しかいない」と将来の破綻を否定する。
 しかし、未納者が増え続けている実態を踏まえ、制度の趣旨、口座振替や郵便局窓口での納付方法、保険料が割り引かれる前納制度などを地道に広報。先月には、同事務局は教育関係機関などと「年金教育推進協議会」を立ち上げ、今後は学校の授業で年金の必要性・大切さを教えていく方針だ。

若年層、根深い不信感
 先月下旬、政府・与党は「保険料固定方式」の導入が柱になった04年年金制度改革案をまとめ、信頼回復に努めているが、若年層の不信感は根深く、その道はかなり険しそうだ。
 市内のフリーター男性(23)は、親から説得され、21歳から国民年金を納付し始めた。「催促状は届いていたが、納めることが義務とは知らず、1年間無視していた。将来、もらえるか、もらえないか特別関心はないが、未納付だと運転免許証・パスポートの発行停止、などの報道を耳にすると、納めないと仕方ない」という。また、パートタイマーの主婦(29)は「女性の場合特に、結婚、退職、再就職などを経ることで、年金がどのようになり、将来の支給額がいくらになるのかさっぱりわからない」と困惑する。さらに、脱サラし、昨年市内に店を出した男性(35)は「弱者救済という意味で、公的年金は必要。しかし、現制度は、所得間の不公平さを感じる。海外の成功例を参考にし、抜本的な改革を進めないとダメ」とバッサリ。

■年金問題に詳しい山口大学経済学部・石田成則教授の話
 年金保険料未納者は、若者が圧倒的に多い。その理由は①将来の生活設計をまだ真剣に考えていない②年金の仕組みを十分理解していない――からだと思われる。
 ただ、公的に老後の生活を保障する意味で、国民年金は今後も維持すべき必要な制度である。そのために今後、国は国民一人ひとりの支給額をわかりやすく示す仕組み作り、事務の効率化で徴収コストの削減、強制徴収の明確化、年金をあくまで老後生活の基盤となすものという位置付けを行うべきだ。さらに、国民も国民年金を全ての保障と考えるのではなく、個人年金に加入するなり、自分自身の力で生き抜くという意識改革をしなければならない。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)ニュース
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