2004年02月11日
誰がやる? 市の分別指導員

古紙やペットボトルなど資源ごみ収集日の早朝、分別ステーションに立ち会い、正しい出し方を住民に指導する「分別指導員」。山口市では、分別収集が始まった97年から導入され、円滑なリサイクル運営に重要な役割を果たしている。ただ、指導員は当番がやったり、シルバー人材センター会員がやったりと、町内会によって担当はバラバラ。こうした中、住民からは「共働き世帯には大きな負担。行政がやるべき」「地域社会の一員として、やるのは当然」など、様々な意見が聞かれている。
当番、シルバー会員など町内会で相違
市の分別指導員制度は、資源ごみに異物などが混入することを防ぐため、97年からスタート。分別ステーションは市内に700カ所以上と多いため、指導員は市が町内会及び市シルバー人材センターに委託している。
指導員の配置日は「缶・ビン」と「古紙・ペットボトル」収集日の月2回。基本的に朝6時半から8時半までの2時間、異物が混入していないか、ちゃんと洗浄されているか、ビンの色分けができているかなど出し方のチェックとコンテナの整理を行う。
誰が指導員を担当するかは、各町内会が話し合いなどで決めている。当番制にしているところもあれば、特定の担当者を決めているところ、シルバー人材センター会員に委託しているところなど様々。市から支払われる指導料(1人につき)1時間800円、コンテナ1個につき70円(1カ月)も、指導員をした人に渡すか、町内会費にするか、それぞれ異なる。
「夫婦共働きで、負担は大きい」「リサイクルへの関心が高まった」
分別収集開始から7年が経過したが、ペットボトルをつぶしていなかったり、紙ひもで古紙を縛っていなかったりと、まだまだルールをきちんと把握できていない人も多く、指導員の果たす役割は大きい。しかし、早朝の2時間を束縛されるうえ、誰が担当するのか市内でバラバラのため、当番制の町内会に住む住民からは一部、不満の声が出ている。
夫婦共働きという女性は「夫も私も会社の始業時間は朝の8時半。指導員をしていたら、とても間に合わない。昔のように、女性が家庭にいる時代ではない。シルバー人材センターの人がやっている町内がうらやましい…」と口にする。また、30代の男性は「当番が回ってくるのは1年に1回くらい。それでもかなりの負担になっている。町内会で決まったことだから仕方ないが、自分の世帯だけ勘弁してくれとは正直言いづらい。そもそも住民がここまでする必要があるのか」と訴える。
こうした意見がある一方で「指導員は住民がやるべき」という市民も多い。大内地区のある町内会は、当初町内に住むシルバー人材センター会員に頼んでいたが、特定の人だけに任せるのは負担が大きいと、2年前から住民による当番制に切り替えた。町内の人たちは「朝早いのは大変だが、指導員をすることで分別のルールがよくわかり、リサイクルへの関心も高くなった」「ごみ出しに来た人とあいさつをするので、住民相互のコミュニケーションが深まっている」などメリットを主張。指導員の負担を軽くするため、1時間の交代制にするなど、工夫している町内会もある。
市環境保全課は「リサイクルは住民の理解と協力があって、初めて成り立つ。指導員をすることは大変だと思うが、ルールを徹底させるためにも、協力してもらいたい」と話している。
小郡町は「必要なし」
山口市より早く分別収集に取り組んだ小郡町では、老人クラブの会員らが収集日に立ち会う地区も一部あるが、どのステーションも基本的には指導員はいない。もし違反があればごみを持ち帰らないようにしているが、町環境衛生課は「開始当初は色々問題もあったが、分別ルールは十分町民に浸透した。今は指導員を立ち会わせる必要がない」と言い切っている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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