2004年02月25日
04年度山口市予算 一般会計、473億1000万円

山口市はこのほど、2004年度当初予算案を発表した。一般会計は473億1千万円で、03年度当初予算に比べて3・1%増。ただし、減税補てん債借り換えのための起債を除いた実質は447億8300万円と、2・4%減の緊縮型になった。年度末の市債残高は今年度より2億円多い674億円の見込み。「特色ある県央中核都市づくり」「生活者重視の施策展開」「官から民への構造改革」を基本方針に、アピール事業を中心とした施策を推進する。新規事業は42件。
市は、予算編成方針において、04年度を県央部合併に向けて様々な行政課題に一定の方向性を示し、着実に歩みを進める「新県都建設に向けて発信する年」と位置づけた。
しかし、「三位一体の改革」による補助金や地方交付税の削減、市税収入の低迷など、歳入が減少する一方で、歳出面で扶助費や公債費など義務的経費がふくらみ、極めて厳しい状況に置かれている。そこで、財政の健全性確保をより一層進め、行政評価システムを活用した効果的・重点的な財源配分を実施。最小の経費で最大の効果を上げるよう施策を重点化した。
歳入では、市税が約185億4400万円(対前年比0・9%増)。個人市民税は減少するものの、家屋の新増築などによる固定資産税の増加を見込んでいる。地方交付税は、1億3500万円(同2・1%)減って63億1400万円。国の三位一体の改革による地方交付税、臨時財政対策費などの減額に対応した財源措置として新設する「所得譲与税」(国から地方への税源移譲)は、2億3500万円。
一方、歳出では、人件費が72億円で、給与の引き下げなどによって4億3300万円(同5・7%)減少。しかし、扶助費は生活保護費や児童手当などで63億2400万円と、6億9900万円(同12・4%)の大幅増となった。また、減税補てん債借換債を除く公債費も、61億7100万円と3億5400万円(同6・1%)増加した。投資的経費は、66億7400万円。中央公園整備や白石小学校校舎増改築の終了などで13億4400万円(同16・8%)減。
市の借金である市債残高の見込みは、年度末で674億円。公債費比率は20・6%と前年より2・1ポイント増加。財政の健全さの目安となる起債制限比率は12・9%と0・6ポイント増加した。また、財政の硬直化の指標となる経常収支比率は89・8%。
新規事業は42件 大歳小増築、白石公民館建設
施策推進の基本方針は㈰特色ある県央中核都市づくり㈪生活者重視の施策展開㈫官から民への構造改革 の三つ。新規事業は、昨年より6件多い42件だ。
まず㈰では、中心市街地活性化対策として、新たな居住環境を生み出すことで、人口定住と商店街活性化を図る「都心居住プロジェクト推進事業」(1720万円)、商業核への誘導表示を設置する「商業核誘導表示整備事業」(2700万円)など。大内文化のまちづくり関連では、10月開館予定の菜香亭の管理運営(2024万円)や、十朋亭暫定公開のための施設整備を行う「十朋亭保存活用事業」(800万円)が組まれている。
次に㈪のうち、福祉関連では、母子保健サービスや福祉・教育サービスなど子育て情報を発信する「子育て支援ほっとインフォメーション事業」(614万円)、高齢者、障害者、児童福祉のワンストップサービスを提供する「福祉総合相談窓口整備事業」(1550万円)、がんの終末期を自宅などで有意義に過ごすための「在宅緩和ケア推進事業」(1390万円)などに取り組む。また、教育関連では、大歳小学校校舎増築(3億2611万円)、白石公民館建設事業(3億1823万円)といった大規模な施策のほか、乳幼児やその保護者に絵本に触れる機会を提供する「ブックスタート推進事業」(150万円)なども組まれている。
㈫では、自主的な公園美化活動に、ボランティア保険への加入や物品を提供する「公園美化ボランティア支援事業」(146万円)、農業体験などの市民活動を支援し、地産地消の考え方を広める「みのりとこころのネットワーク推進事業」(150万円)などが主なものとなっている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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