2004年03月19日
JR山口線 無人駅トイレ今月で閉鎖

JR西日本山口鉄道部は、管内7カ所の無人駅のトイレを今月末で閉鎖することを決め、各駅に通知を張り出した。これに対し、山口市、小郡町、阿東町は3首長の連名で、引き続き使用できるよう求める要望書をJR広島支社長あてに提出。「トイレを含めた、駅利用の方法を考えて欲しい」とする同鉄道部側の主張とは平行線のままだ。
今月末で閉鎖されるのは、小郡町内の上郷と、山口市内の上山口、仁保、阿東町内の篠目、長門峡、三谷、地福の計7駅のトイレ。山口鉄道部は、業務合理化の一環としてトイレ閉鎖を検討した。当初は、昨年12月1日から実施する計画だった。
11月初めに各自治体に通知したところ、実施まで1カ月を切っており、地元との調整がつかないとして猶予を求められた。その後、11月20日に阿東町長の要望書を、今月9日には1市2町の首長連名による要望書を受理したが、結局3月いっぱいでの閉鎖を決定した。
今回の経緯について同鉄道部は「何がなんでも閉鎖すると言ったわけではない。地元で、駅全体の活用方法を考えてくれれば、トイレも含めて管理を委ねる。自治体には、そのアイデアを出して欲しいとお願いした」と説明する。
現在、無人駅のトイレは、JRの社員が定期的に巡回し、10日に1回程度の清掃を行っている。いずれも水洗化されていないが、くみ取り代は年間数万円程度。「経費削減のための閉鎖ではない」という。しかし、赤字路線の山口線は、業務効率化への努力を求められている。さらに深刻な事態を食い止めるためには、「目に見える形での努力が必要だった」という。また、地元自治体や住民が、山口線の活用や活性化について、もっと関心を持ってもらいたい、という同鉄道部の思惑もある。宮野駅の交流ステーションのような施設が増えれば、住民の山口線に対する関心も高まると期待できるからだ。
これに対し、各自治体は「一企業の施設の扱いについて、口出しはできない」として、要望書以外の働きかけはせず、当面は状況を見守ることにしている。
山口市は現在、矢原、大歳の両駅に公衆トイレを設置し、経費を負担する形で地元に管理を委ねている。しかし、上山口と仁保に関しては、この方法は考えていない。市企画調整課は「地元から具体的な要望はないが、やはりトイレが無くなるのは不便では」と話す。また、高校生や大学生が多く利用する上郷駅を抱える小郡町は「現時点では具体的な声は上がっていないが、今後、利用者協議会などを通じて意見を集約し、JRへの働きかけなどの対応策を考えていきたい」と考えている。
一方、トイレ閉鎖の影響については、「山口線は全列車にトイレが備わっており、ほとんど問題はない」というのがJR側の主張。これまでのところ、利用者からの問い合わせもなく、古本明山口駅長は「行政からは、具体的にどんな影響があるのか全く伝わってこないし、提案もないでは、交渉の余地がない。活性化のために力を合わせたいのに」とこぼす。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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