サンデー山口

　3月22日付で、山口警察署長に就任。「全国的に犯罪の未然防止が重要になっている。自分の安全は自分で守るという意識を持ってもらいたい」と語り、自ら様々な場所に出向いて直接呼びかける考えだ。
　山口市は、自転車盗や車上狙いなどの刑法犯が目立つ。これらを抑止するためには、警察力だけではなく、市や地域との協力が欠かせないと考えている。「山口市民は、地区の住民同士の結束が強く、自治会活動が活発で、青少年の非行防止などにも熱心。治安を守る上で、とても心強い。自治会などと一体となって、さらに安全なまちにしたい」と語気を強める。その言葉の陰には、警察本部の生活安全企画課長時代に関わった湯田セーフティネットワークの存在がある。就任早々にパトロールに同行。「スタート時には苦労もあったが、今では多くの人に認知されている。こうした自主的な取り組みは、他地区や他都市の手本になる」と実感したそうだ。
　オレオレ詐欺や架空請求など、新しい手口の犯罪が次々に生まれ、全国に広がっている今、「不審に思ったことなど、どんな小さな情報でもいいので通報してほしい。それが、犯罪解決の糸口になる」と呼びかける。

1947年萩市生まれ。70年岡山大学を卒業し山口県警へ。山口警察署竪小路派出所を振り出しに、県警本部交通企画課、交通指導課、生活安全企画課長などを経て、山口警察署長に就任。56歳。