2004年07月23日
市産業コーディネーター活動1年、着実な成果も

「山口市産業コーディネーター」が活動を開始してから8月1日で丸1年が経過する。知名度はまだ低いものの、新たな起業家が誕生するなど、着実な成果も生まれつつあるようだ。
市産業コーディネーターは、起業家でもある中村伸一さんと河津良一さんの2人が務めている。事業を始めようとしている人や新しい事業展開を考えている人を対象に、起業に関する相談を受け付け、アドバイスやノウハウ・情報の提供、企業連携の支援、産学連携の促進などを無料で行っている。また、定期的にセミナーや交流会なども開催。事務所(TEL083-920-1357)は熊野町のニューメディアプラザ山口2階で、平日の午前10時から午後5時まで応対している。
この1年間で、コーディネーターが関与して起業した事例は4件、相談に訪れた事業者間での共同事業開始が3件、将来開業するためのステップとして希望業種の会社へ就職したのが1件。
起業例はまだ少ないが、毎月の相談者数は平均して約50人にのぼる。その多くはリピーターで、具体的な相談よりも、雑談をしに来る人が大半を占める。話をする中で自分の考えが整理できたり、アイデアがひらめいたり、自分に足りないものを認識できたりする事も多いという。
コーディネーターを橋渡しにして新たなつながりができることもある。「偶然同席した人同士が共同事業を起こしたケースもあった」と、河津さんは振り返る。
相談者の職種は、ウェブデザイナーやプログラマーなどIT関係が中心で、インターネットを活用したビジネスを考えている人が多い。4月にウェブデザイナーとして独立した芥川愛子さん(29)は、主に企業が商品を販売するためのホームページを作っている。「コーディネーターや、自分と同じように起業を目指している人の存在が独立する勇気を与えてくれた」という。阿東町で学習塾を経営している古谷誠人さん(40)は「セミナーで知り合った人やコーディネーターから、自分では気づかなかった経営者としての考え方を教わった」と話し、塾から数学オリンピックに出場できる人材を育てようと取り組んでいる。
中村さんは「これからも、それぞれが持っている能力を最大限に引き出せるような、良い人間関係づくりの手伝いをしていきたい。それが地元の活性化にもつながる」と話している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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