2004年07月24日
近い学校に通学OK

山口市立小学校及び中学校通学区域審議会(中川亮介委員長)の2回目の会合が21日、市防災センターで開かれた。現行の通学区域の定めでは、隣りの学区にある学校の方が距離が近いというケースも生じていることから、こうした地域では修学する学校の選択を可能にするなどの見直し案について審議。前回挙げられた課題を整理し、答申の方向性について意見のすりあわせを行った。次回、市教育委員会に提出する答申案をまとめる予定。
現在の市立小・中学校の通学区域は、町単位で指定されており、区域外の学校への就学は、1.指導監督上 2.身体の障害、虚弱等によって指定校への通学が困難 3.保護者が他の学区へ転居 4その他教育委員会が必要と認めた時──について許可している。
このうち4.は、いじめへの対応や通学中の交通安全に問題がある場合などに適用されてきたが、最近は通学距離の短縮を理由とする申し立てが目立って増えている。
そこで市教委は、隣の学区にある学校の方が近い18区域と、行政区と学校区とが一致していない11区域の計29区域を選定。区域内の住民に限り、隣接する学区の学校への就学を認める案を示している。審議会ではまず、前回挙げられた選択制の導入に関する課題点について市教委が説明した。すでに指定学校に通学している兄姉がいる場合は、5年間の猶予期間を設けて同じ学校への転学を認める。また、選択の機会は小学校入学時のみで、中学校は選択した小学校と同一学区の学校へ通うことになる。これに対して、委員からは「クラブ活動を理由に選択しても良いのでは」「中学校入学時にも選択の機会を与えて」といった意見が出た。しかし今回は、通学距離のみに焦点を絞った見直しであることから、提案を大筋で認める方向で答申をまとめることを確認。これらの意見は、今後の検討課題とした。
一方、選択制の導入によって、同じ町内に異なる学校へ通う子どもたちが混在することになり、学校が異なると子供会などの地区行事に参加しにくいなどの声が上がる可能性がある。こうした心の壁を取り除くには、家庭・地域・行政の協働による地域コミュニティの充実などが必要で、答申にはこのような見直しに伴う影響への対応を求める付記事項が添えられる。
8月24日に開かれる第3回審議会では、答申をまとめる予定。中川委員長は「これからは、通学区域の弾力化がますます求められてくる。一方で、急激な変化は新たな問題を生み出す可能性もあり、十分な検討が必要。今回の見直しをきっかけに市民の議論が深まることを期待する」という。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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