2004年09月01日
青春! 山口高校のウォーターボーイズ

男子高校生によるシンクロナイズドスイミングを映画・テレビドラマ化して話題となった「ウォーターボーイズ」。そんなストーリーを地でいく若者たちがいる。山口高校理系物理コースの3年1組(担任・木嶋太郎教諭、34人)は、男子のみのクラス。4日(土)と5日(日)に同校で開催される文化祭「銀鐘祭」で一花咲かせようと、受験勉強の合間をぬい、本気でシンクロに取り組んでいる。
3年1組で文化祭の出し物について最初の話し合いを行ったのは6月上旬。しかし、妙案は浮かばず、何も決まらないまま2週間が経過した。そんな時、ヒントになればと木嶋教諭が差し出したのは1本のビデオテープ。そこには埼玉県立川越高校(男子校)の文化祭を紹介したテレビ番組が録画されており、その中の一つに「ウォーターボーイズ」のモデルになった同校水泳部のシンクロ演技があった。
「男だけのシンクロ。インパクトがある。これしかない」と盛り上がった生徒たちだが、すぐに問題発生。実際に誰が泳ぐか決める段階になると、「水着で人前に出て踊るのは恥ずかしい」「受験勉強があるのに、とても今から練習できない」と辞退者が続出した。そんな中、責任者に選ばれた小野邦弘くんがクラスメートを粘り強く説得。最終的に14人が演技者に名乗りを上げ、残りの生徒は音響や会場の飾り付けなどの裏方に回った。
14人のウォーターボーイズは、まずフォーメーションやフィギュア(技)、プールサイドで踊るダンスを、映画・ドラマ、インターネット等で徹底研究。それらを独自にアレンジし、様々な曲をつなぎ合わせ、1回15分程の演技プログラムにした。
夏休みに入ってからは、プールでの練習を本格化。クラス唯一の水泳部員・井上英俊くんから泳ぎ方の基本を学び、それぞれのフィギュアにはリーダーを置き、役割分担を明確にした。ただ、一朝一夕でマスター出来るほどシンクロは容易ではない。音の聞こえない水中で全員がタイミングを合わせるのは至難の業で、一つのパートを何度も何度も繰り返し練習。木嶋教諭と副担任の御手洗正明教諭が不在でプールの使えないときは、グラウンドで腕の振りやフォーメーションなどを確認した。
練習は休みなくほぼ毎日行い、「ここまで本気になるとは思ってもいなかった」と木嶋教諭も舌を巻く。生徒たちは団結力と気合いを示すため、そろいの競泳用ビキニパンツも購入した。
真っ黒に日焼けした小野くんは「受験勉強も大事だが、今はシンクロに集中している。高校生最後の夏だったが、『まさに青春』という感じ」といい、「完成度は微妙なところ。でも、精一杯の演技をし、見に来てくれる人たちに感動を与えたい」と話している。
シンクロ公演は、1日目が正午と午後2時半、2日目が正午と午後2時からの4回。入場には剣道場前で開演の1時間前から配られる整理券が必要。

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同校の文化祭は、この他にもおもしろい催しが盛りだくさん。
1日目は、山口の空の写真展や未成年の主張、ビンゴ大会、模擬店、間違い探しなどを実施。体育館では放送部、演劇部、ギター部、バンドなどの公演がある。2日目はバルーンアートやお化け屋敷、女装・男装コンテスト、3年女子ダンス、カラオケ大会、宝探しなどを繰り広げる。
銀鐘祭実行委員会の森本華加委員長は「今年は?故郷から?がテーマ。全校企画として、旧サビエル記念聖堂を牛乳パックで作る予定。生徒一同張り切っているので、ぜひ多くの人に足を運んでもらいたい」と呼びかけている。
駐車場は両日とも、県土地改良事業団体連合会駐車場を用意している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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