サンデー山口

　8月1日付で山口駐屯地司令に着任。「発足から50年を経て、陸自も変革の時期にさしかかった。有事の国土防衛に加え、国内外での多様な役割の重要性が増している。存在だけではなく、内容を評価されることが重要」という。
　信頼される部隊を実現するため、二つの課題を掲げる。まず「活力ある部隊」を目指し、毎月の朝礼のスピーチや、若い隊員を対外的な場面に積極的に出すことで、隊員個々人の意識を能動的な方向に振り向ける。また「地域に役立つ部隊づくり」では、国民保護法案に基づき、自治体や住民との協働による危機管理の仕組みづくりが急務。「山口は、防衛協会や自衛隊協力会など、市民の協力組織が充実している。自治体とのつながりをより強固にすることで、素晴らしい体制が出来上がる」という。前任地では、イラクに派遣される隊員の福利厚生や家族へのケアに奔走。「我々の仕事は、家族の協力が不可欠」と再認識。家族と同様に、地域の理解を得ることにも力を注ぐ。
　山口は、公私を通じて今回が初めて。「静かで落ち着いた、歴史の重みを感じるまち」と印象を語り、趣味の油絵で山口らしさが伝わる作品を描きたいという。

1953年大分県生まれ。77年防衛大学を卒業し陸上自衛隊入隊。防衛大学校指導教官、北部方面総監部人事部厚生課長などを歴任。1等陸佐。50歳。