2004年09月10日
台風18号、深い爪あと

7日に山口県を直撃した台風18号は、山口・小郡地域に大きな被害を与えた。嘉川地区では数棟が床下浸水。262世帯779人に避難勧告が出されたほか、市内全域が停電に見舞われた。また、台風の強風で、屋根瓦や看板などが吹き飛ばされたり、窓ガラスが割れるといった被害も相次ぎ、市民生活に深い爪あとを残した。
風速50.5メートルという観測史上2番目の強風に見まわれた山口市では、多くの建物が屋根や窓ガラスなどに被害を受けた。
中園町の山口情報芸術センターは、波形の金属屋根がはぎ取られ、中央公園側に落下した。その影響で、スタジオA裏側の楽屋などが浸水したほか、スタジオ自体も雨漏り。とりあえず、ビニールシートなどによる応急処置をとった。
幸い、コンピュータなどの機器類や市立図書館にはほとんど影響がなかったが、屋根の修復には数カ月を要するとみられ、スタジオ部門の公演予定などは大幅な見直しが必要になる見込み。きょう10日に上演予定だった「AYAモジュール」は中止、明日はスタジオBでの上演となった。市文化振興財団の山田洋子事務局長は「大変驚いたが、休館日で市民がいなかったのがせめてもの救い」と話している。
台風が通過した翌日の8日、市環境保全課は、壊れた瓦や建材、樹木などの処分方法に関する問い合わせへの対応に追われた。
同課によると、台風の被害によって出た不燃ごみは、決められた収集日にステーションに出すのが原則。ただし、量が多い場合などは、神田一般廃棄物最終処分場へ直接持ち込める。台風被害によるもののみ、特別に無料で対応してくれる。持ち込む際には、可燃ごみなどが混入しないよう、しっかりと分別すること。
同処分場では、あす11 日と12日(日)の午前8時から午後4時半まで、特別に持ち込みを受け付けることにしている。
また、可燃物に関しても、通常の収集に出し切れないものは、清掃工場へ直接持ち込める。ただし、倒れたり折れたりした木の枝などで、直径5センチを超えるものは、破砕してから焼却するため、神田処分場へ搬入する。
同課では、「お年寄りなど、自力での搬入が難しい人は相談してください」と呼びかけている。問い合わせは、同課衛生担当(TEL083-934-2776)。
一方、小郡町は8日、あらかじめ連絡し、1カ所にまとめたガレキに関して収集車が対応。9日には可燃・不燃両方のごみを収集した。また、鍛冶畑不燃物埋立処分場へ直接持ち込む場合は、山口市の神田処分場と同様に、無料で受け付けてもらえる。
なお今回、飛来物によって家屋や車などに被害を受けた人の中には、「賠償を求めることはできないのか」という声が聞かれる。しかし、台風のような自然災害の場合、法律的には明らかな過失がなければ賠償を受けることは難しい。また最近は、火災保険などに賠償責任保険がセットになったものもあるが、この場合も風水害はほとんどが適用外。結局は、自然災害で被害にあった際の保障が得られる保険に、自分自身が入っておくしかなさそうだ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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