2004年09月15日
佐々木安一さん106歳

9月20日の「敬老の日」を前に、市内在住の100歳以上長寿者が発表された。長寿者数は76人で、最高齢は泉都町の田中トキさん(108)。一方、男性最高齢の大内長野の佐々木安一さん(106)は、2年連続で県内でも男性長寿者となった。男性の平均寿命が女性よりも短い中で、趣味の将棋を楽しみながら自宅で元気に暮らす佐々木さんを訪ねた。
佐々木さんは1898(明治31)年1月10日生まれ。現在、長男・友若さん(78)と友若さんの妻・芙美子さん(68)とともに生家で暮らしている。孫は45歳を筆頭に4人、ひ孫は7人。家族が帰省する盆や正月は、佐々木家は一気ににぎやかになる。
農家の長男として生まれ、尋常小学校、尋常高等小学校を経て1916年、18歳で兵役を志願した。翌年に同い年の妻と見合い結婚。1919年のシベリア出兵で召集されたが、すぐに撤兵が決まりシベリア行きを免れた。それから1年もたたないうちに伍長で除隊して自宅に戻った。「軍人になろう思うたんは、百姓があまり好きじゃなかったから。でもあの時シベリアに行っちょったら、今とは違った運命じゃったろうね」と振り返る。
1922年に県警に入り、長年会計を担当。1935年からは県内各地の警察署で次席や署長を務め、1943年に退職した。その後、光市の勤労動員署署長、公立病院の事務長を歴任して55歳で定年を迎え、65歳で自動車免許を取得。80歳になるまでの15年間は、建設会社で働いた。
今春、日露戦争が勃発した1904年に亡くした実母の百年忌を迎えた。「まさか母の百年忌に立ち会おうとは思わんかった」と話す佐々木さん。1世紀も生きてきたことをあらためて実感したという。父は1961年に92歳で他界。4人いた弟、妹は、戦争や病ですでに亡くなっている。「病気知らずでとにかく元気。よく働く人でした。ほんの4年前まで、毎日のように山の手入れに出かけていたんですよ」と友若さん。普段はまじめで無口だが、敬老会などではひと口話を披露するなど、サービス精神旺盛な一面もあるという。
今年2月に軽い脳梗塞で倒れ、言葉が少し不自由になった。しかし、トイレなど身の回りのことは自分の力でこなし、趣味の将棋は毎晩欠かさない。長生きの秘訣を尋ねると、「酒は飲まんし、タバコも吸わんが、とりたてて気を付けちょることはない。いつの間にやらこの歳になった」とにこやかに語っていた。
現在の日本人の平均寿命は、女性が85歳、男性が78歳。女性は世界1位、男性は3位という長寿大国だ。県内の100歳以上長寿者数は、今月1日現在で602人(女性526人、男性76人)と前年同期に比べ56人(10・3%)増加。市町村別で100歳以上長寿者が最も多いのは下関市の92人(女性86人、男性6人)、次いで山口市の76人(女性70人、男性6人)だった。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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